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第3話 判じ蟲

 「待ってぇ・・・お願い待ってぇ」  アイツが泣きながら言う。  そんなん無理やし。まさ  後ろ手に縛られたまま、布団から逃げようとするアイツの腰を捕まえた。  細いウエストの下の可愛い小さな尻は、まだ穴が閉じられてなくて、僕が思いのままに出した精液がこぼれていた。    「無理やから、もう無理やから・・・」  泣く声がかわいすぎる。    「もう無理や・・・許して・・・」  泣いて悶える身体を後ろから抱きしめてその細くて白い首筋に歯を立てた。  かなり強めに噛む。   でも手加減はする。  血なんか出るようにはもうしない。  「痛いっ・・・ああっ!!」  アイツが悲鳴をあげたが、アイツの股間がまた硬くなってきているのは片手で確認している。  僕とのセックスをくりかえして、アイツは痛みを快楽に置き換えられるようになってきている。  そうなってしまったことは悪い、と思ってる。  僕がちょっとばかし、痛いことしたくなるから、それに付き合っているウチにこうなってしまったわけで。  でも、痛い思いをさせたいわけではないと言うか、いや、させたいんだけど、全部全部、それは可愛いからなんやで。  僕は白い首についた噛み痕を優しくなめる。  いたくしてから優しくすると、アイツの身体は可哀想な位感じるからだ。    「あっ・・・あっ・・・」  舌にあわせて身体が震えるのがたまらない。  この真っ白な身体に僕が触れてないところなんかない。  それに全部舐めてる。  舌が届く範囲の内側まで全部。    「もう・・・せんでぇ」  まだ諦めの悪い恋人が泣く。  何でもさせてくれる可愛い恋人なんだけど、今日は月に一度のトコトンする日なので、もうとっくに限界は超えてしまっているわけで。  でも、僕もホンマやったら毎日したいのを我慢して我慢して我慢我慢我慢しているので、この日だけはどうにもならない。  それでも。  それでも。  遠慮はしてるねんでこれでも一応。  「電気消してやぁ・・・」  毎回だけど、最後までこれを恋人は言い続ける。  絶対に消してやらないのをもうわかったらいいのに。  恋人は骨の浮いた肉のない自分の身体をみっともないと思っているのだ。  僕がどれだけ、この真っ白で細い身体を綺麗で可愛いと思っているのか分かってくれない。    しなやかな長い手足も。  細く長い首も。  でかすぎず、小さすぎない綺麗な形の性器も。  僕を受け入れるために形を変えつつある、綺麗な色のアナルも。  長すぎる前髪に隠された美しい顔も。  へその形と性器のバランスとかたまらへんよね。  咥えてる時興奮する。  後ろから突いてる時の尻から背中のラインとか、フェラさせる時の首から頬のラインとか。  完璧。   最高。    いつでもどんなパーツだけでも勃起できるのに。  なのに、僕の恋人は自分を醜いと思い込んでいるのだ。  こんなに綺麗で可愛いのに。  「見んといてぇ・・・」  恋人が泣く。  みっともないから、と。  「アホ、見るやろ。お前最高や」  僕は首から胸へと、舌で舐めながら移動しつつ云う。  薄い肉。  白い肉。  華奢な身体は感じやすくて、舌を這わせる度に震える。  ほら、もう出ないとか行ってても、敏感な身体は反応し始めている。  勃ちあがりかけたそれを指でしごいてやれば、散々中まで突いてこすって、イカせつづけた身体は痙攣し、力ない悲鳴をあげる。     痛々しくて、たまらなく可愛い。    こんなに疲れてて、でも感じてしまうんがいい。  わかる?  この感じ。  感じたくないけど、止めて欲しいけど、でも感じちゃってるんよ。  他の誰でもないこの僕に、感じすぎた果てにこうなってるんやで。  この可愛いさは、エロの海の広さやで。  もう何言ってんのか自分でもわからへん。  それくらい可愛くてエロい。    今日はする。  気絶するまでする。  とことんする。  毎日毎日毎日。  僕は我慢してるんや。   可愛い乳首を吸う。  そこももう赤く腫れてしまって可愛い。    「も、・・・あかんて、なぁ、あかんて」  首を振るのが可愛くてしかたない。  しかも後ろ手に縛ってあるのがエロくてしかたない。    胸を強く噛みながら性器をしごいたら、アイツのは完全に勃起した。  痛いのがもう、完全に快楽になってるんやな。  これも僕のせいやろ。  可愛すぎる。  「解いて・・・お願い・・・」  アイツがまた泣く。  「駄目。もうしんどいんやろ?でも今日はいっぱいする日やん。今日は僕へのご褒美やん?・・・しんどならないように出さんようにしよーな。お前すぐ自分の手で自分でしようとするやん」  僕は優しく言った。  そうそう、これは優しさなのだ。  出させたらしんどくなるからね。  「自分でしちゃう位いやらしいとこは大好きやけど」   耳元で囁けば、真っ白な身体が真っ赤になった。  なにこれ可愛い。    可愛いすぎる。  「俺・・・いやらしい?」  アイツが顔を歪めてまた泣く。  「我慢できなくて、擦ってんの、最高にやらしい」       僕は真っ赤になった耳を噛みながら言う.  いや、僕のせいやねん。  僕が痛いこととかするから、コイツそれをのりきるために自分で擦ること覚えてしまって。  それがクセになってるだけで、まあ、僕が無理やり教えこんだようなもんやねんけど。  でも、我慢できなくて自分でしちゃうコイツは本当に可愛い。  「いやらしくても・・・嫌わんといて・・・」  小さな声で言われた。  顔をよじって必死で僕から隠しながら、泣きながら。  股間にきた。  コイツの泣き顔に僕は一番興奮するんやけど、特に僕が好きすぎて、嫌わんといてと泣かれたら、僕はその場でコイツに突っ込まずにはいられなくなるんやけど。  両手を後ろて縛られ、僕の噛み痕やら吸い痕を真っ白な身体散らして、僕の出したもんを穴から垂れ流しながら、そんなこと言われたなら・・・。    興奮は最高頂になるやろが!!  それでも。  僕は頑張った。  突っ込まんかった。  「何?何するん・・・」  アイツの声には答えない。  震える指で枕元に用意していた幅の広い紐(わざわざ手芸屋さんに買いに行った。ちょうどええのが欲しくて。柔らかいのがええの。傷つけたくないん?)で恋人の勃起した性器の根元を縛った。  カンペキやった。  縛られた勃起した性器。  エロい。  この性器はもう、エロ神様と言って良い。  拝みたい。  「何・・・なんで?・・・俺が嫌いなん?」  ここ縛ったことなかったから、アイツが戸惑い怯えている。  もう完璧やった。    怯えて震えてるとこまで完璧やった。  「嫌うわけなんかないやろが!!!好きに決まっとる!!」  僕は吠えた。  ビクン   白い身体が震えた。  アイツが僕の声や表情にさらに怯えたのがさらに良かった。  怯えて見開かれた目、震える唇。  可愛い。  可愛い。  お前なんなの。  エロい。  神様なのは性器やない。     お前がエロ神や。  御神体や。  唸り声を上げてのしかかり、身体をひっくり返した。  そして細い腰をつかんで思い切り貫いた。  散々突っ込んで出したそこは、僕を容易く受け入れた。    でも、激しく突っ込んだから、アイツがあげた細い悲鳴が聞こえて、それが愛しすぎた。  「たまらんわ。お前ん中最高や」  僕は思いのままに動いた。  締め付けるきつさも、蠢く中も。  吸い付くような奥も。  たまらなかった。  ああっ  だめ・・・  ムリ・・・  切れ切れにアイツが泣く声が興奮を煽る。  一番奥に入りたくて後ろから突いていたけど、今度は顔が見たくてたまらない。  「奥で出したるからな・・・好きやろ?」    僕の声は甘い。  奥で出したらコイツはイク。  中だけでイク。  今もずっと甘イキし続けてるけどな。  「解いて・・・解いてぇ・・・イキたい」  布団に自分でいくらこすりつけても縛られてるから弾けないそこを、解放してくれとアイツが泣く。  「ダメ。出したら疲れるやろ?お前のためや」  僕は思いやりを持っていいながら、一番深くで放った。  アイツは笛のような音を喉からだして、身体をそらせ、痙攣させた。  中だけでイったのだ。  「ほら、出さんでもイケるやろ?な?」  僕は小さく震える背中に歯を立てた。  やぁっ     泣きながらアイツが悶えた。    痛みにも感じてくれる。  掠れる声の悲鳴が可愛くてたまらない。  ゆっくり抜いた。  まだ全然イケる。  顔を見て、今度はその可愛い泣き顔をみながらするんや。  身体を仰向かせた。  ぐちゃぐちゃの泣き顔が最高やった。  大きな綺麗な形の目が濡れていて、透明な涙を流し続けてて、綺麗な唇が濡れたまま泣き声を漏らす。    綺麗なだけに歪められた顔がいやらしい。  可愛い。  触れる度に痙攣する身体が愛しい。  ここまで僕に反応してくれるようになった身体が愛しい。  見開かれた目。  怯えた目。    でも逃げない。  僕が好きだから。  こんなに泣いて、こんなに怯えて、でも僕に感じて乱れてくれて。  可愛いくてたまらない。  泣かせるたびに、愛しくてたまらなくなる。  「解いて・・・お願い・・・もうおかしくなる・・・」  泣きながら言われて、僕は出したばかりなのにもう次の発射即OKになる。  おかしくなる、やと。  なってくれや。  そんなんご褒美やん。  手を解いてやる。  仰向けだと後ろ手だと辛いから。  でも、その手はまとめて頭の上で片手て押さえつける。  「解いてあげたで、な?僕優しいやろ?」  僕は恋人の中に再び入りながら言う。    今度は表情は何一つ見落とさない。    絶対に。  「手やない・・・解いて欲しいんは・・手やない」  グズグズとアイツが泣く。  うん。  分かってる。  分かってるんやけどな。  「僕がもう一回イったら解いてあげる」  僕は優しく言った。  ゆるーく焦らすように動きながら。  今度は長く楽しみたい。  だって、長ければ長いほど、恋人は可愛くなる。  「いややぁ、お願い・・・」  恋人は叫び、自分から腰を動かし出す。    うわぁ。  たまらんわ。  そら、言うたら何でもしてくれるけどな、一生懸命に。  でも、言わなくてもしてくれるこういうのんって・・・貴重やない?  僕は自分から動くのを止めた。  恋人は必死で動く。  耐え難い快楽を終わらせるために。  自分で動くから・・・そう、お前こういうとこ好きやねんね、そんなんとかわかる。   ふうん。  まだ知らんことあったわ。  そうなの、ここが好きなの、擦ってほしいの。  後でしてあげるからな、可愛い。  可愛い。  可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い。     「お願いィ」  自分だけでは限界があり、じれた恋人が泣き叫び、僕の肩に噛みついた。  「お願いやぁ・・・お願いぃ」  泣き叫び、噛んでくる。  もう完全に錯乱していた。  ガブガブ噛まれた。  痛みがたまらんくらい良かった。  噛むの好きやけど、噛まれんのも最高。  可愛い。  可愛い。  なんでこんなに可愛いねん。  「愛してる」  僕は思いきりさけんだ。  叫ぶやろ。  叫ぶやろ。  ガンガンに突いた。  乱暴に突いた。  アイツはもう、声さえ出ない。  ひたすら呼気だけを笛のように喉から出す。  「可愛い」  「可愛い」  「めっちゃ好き!!」  僕はわめき続けた。  何度も何度もアイツが中だけでイったのを確認して、やっとそこを解いてやった。  助けて  助けて  アイツはそう叫びながらすっかり薄くなったモノを迸らせた。  僕も中に放った。  抱きしめながら。  めちゃくちゃ良かった。  可愛いかった。  好きすぎた。  アイツが気を失ってしまったから、終わりに、しなければならないのが残念だった。  仕方ない。  もう、気を失った身体を抱いたりしないと誓ったのだ。  抱き殺しかけてしまったから。  でも、しないけど、もう少しコイツの中にいる。  僕は恋人を抱き締めた。  次、ここまですんのは来月まではなし。  僕は我慢してる。  一生懸命我慢してる。  だってコイツが好きやもん。  もっとしたいけど我慢している。  「好き。好き。大好き」  僕は囁いた。  でも、これがね。  全く伝わらへんのよ。  僕はため息をついた。  したかったことはまだたくさんあった。  でも、来月までの我慢。  来月は・・・最初から縛っちゃおうかな。    ワクワクしてしまった。  可愛いすぎる。  縛り付けたかった。  何もかも。  縛った性器をずっと可愛がってやろうか。    イキたくて、泣いて懇願するアイツを思ったらゾクゾクした。     縛った手の痕が痛々しくて可愛い。  何度もそこにキスをする。  そしたら、指とか舐めたくなって、舐めてたりしたら・・・。  そうしてたら、挿れっぱなしの僕のモンが・・・、ああ、ダメだ。  もう気絶したらしないって決めたのに。  でも、もう腰が動いてしまっていた。  気持ち良い。  我慢できない。  「ゴメン・・・最後に一回だけやから、ゴメン・・・」  もう何も聞こえないアイツに囁く。  それでもできるだけ優しく腰をぶつけていく   力がない、ただ揺さぶられるだけの身体が可愛い。  もうなすがままで、力さえなくなって何の反応もない身体を抱くのも実は大好きだ。    ここまで僕のモンになったって気がするから。   可愛くてたまらなくなるから。  でも、本当に殺しかけた。    どこまでも抱き続けて。  だから・・・普段はめちゃくちゃ我慢してるし、月に一度の時のご褒美の時だっていつもは気絶したら止めてるし、だからだからゴメン。  僕はゆっくり腰を使い、優しく優しくアイツを愛した。  意識がない時の方が優しく出来る気がする。    だって・・・泣かれたりしたら可愛くなってしまうんやもん。  可愛くなったらついつい色々しちゃう。  「好き。好き」  僕はくりかえす。  血の気の引いた顔にはもう何の表情もない。  「絶対離れへん。離さへん」  奥で放ちながら囁いた。  聞こえてるかなんか関係なかった。    手放す位なら、お前が離れるくらいなら、僕はお前の意識なんか奪ってしまって、こんな風にずっと優しく抱いてしまうと思う。  お前が死ぬまで。  そして、僕が死ぬまで。    僕は恋人を抱き締めた。  僕のモノや。  僕だけの。  なのに僕は・・・片思いなのだ。  ここまでしてても。  させてくれてても。  やってられへん。

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