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第14話 お仕置き

 僕はアイツ腰を抱えこむようにして、ゆっくりゆっくり揺すっていた。  アイツは泣きじゃくっている。  狐が少女を連れて救急車と一緒にこの屋敷を去るなり、僕はアイツを風呂にぶち込み、血を洗い流し、部屋に連れ込んだのだ。  血を洗い流した理由は一つ。  赤や黒が 舐めにきて邪魔するからや。  赤と黒は部屋から追い出した。  今頃台所に飛び散る血肉を喜んで舐めたり喰ったりしてるやろ。  掃除が楽になってええ。  僕が服を乱暴に剥いて乱暴に洗っても、部屋に裸のまま連れ込み、ろくに慣らしもしないで突っ込んでもアイツは抵抗しなかった。  アイツはセックスに関しては、僕に何でもさせてくれるからだ。  ただ、泣きじゃくっていた。  行為の乱暴さにではなく、僕が酷く虐めるからだった    「えらい女の子に優しかったやないか」  僕はアイツの背後から繋がったまま、ゆっくり揺すりながらアイツの耳を噛む。  噛み心地が好き。  そして、噛んだら絞まるのも好き。  「ううっ」  アイツが呻いた。     痛みを快感に書き換えるようになってしまったのは僕のせいで、アイツのせいじゃない。    「女の子としたかったんやないのか。女の子のアソコにコレを挿れて、こんな風に擦りたかったんちゃうんか?」  僕はアイツのもう、先からこぼれまくってギンギンに勃起してあるそこを手で擦りながら言う。  もちろん、中でゆっくりゆっくり揺すってやりながらや。  コイツは僕のせいで乱暴にされてもイケるけど、本当はこんな風にゆっくりされるのにヨワい。  そこにアイツの好きな先っぽを責めてやる。  「ちゃう・・・ちゃう・・・俺は女の子はあかんて・・・ああっ」  アイツは身体を震わせながら、またイッた。  もう何度目かわからへん。  コイツの快楽に弱い身体は簡単にイける。  それがいつもなら可愛くてたまらないのに今日はイラついてしまう。  「お前、僕の時でも・・・自分からしたわけやないやろが。実際やってみたら女の子とでも出来るんちゃうか。大体お前、男も女も関係なく誰も近くにおったことがないやろが。男が好きやと思いこんでるだけやないんか・・・ホンマは女の子としたいんちゃうんか!!」  僕は出したばかりのアイツの性器を弄りながら、またゆっくりゆっくり腰を動かしていく。  熱くて溶けそうなそこが僕にまとわりつく。  気持ちええ。  握りこんだ脈打つあいつの性器再び勃っていく。  「あかん・・・いやぁ・・・やめてぇ・・・ああっ!!」  アイツが泣き叫ぶ。  中が痙攣してるから、イキッばなしになっているのが分かる。    だから止めない。  出してしまいたいのを必死で堪える。  あかん。  今日はあかん。  ハンパではすまさへん。  「許してぇ、許してぇ・・・女の子なんかとしたくないィ」  アイツがそう言ったら少し僕は安心する  でもあかん。  あかんのや。  コイツにセックスを覚えさせたんは僕や。  それも最初は無理やりやった。  だから不安がある。  コイツは自分が僕しかあかんと思ってるけど、そうじゃないんじゃないか。  女の子じゃなくても、僕より優しい誰かが本当は良かったんじゃないか。  もう僕はコイツが手放せないから、離れるつもりなんかないから。  不安になる。  なるんや。  「女の子はこんな奥まで挿れて擦ったりしてくれへんで?・・・なぁ、僕のがええやろ?」  僕は体重をかけて奥まで入り込んだ。  ここを突いてればアイツは意識を失う程、狂うのだ。  でも、そうはしない。  話をしないとあかんからや。    奥まで入れられたのに、そうされないことにアイツは悶えだす。    そうされたことのある記憶が、それ欲しさに狂わせるのを僕は知ってる。   ほら、アイツが欲しくて、腰をくねらしだす。    でも、僕かて辛い。  この奥でさきっぽグチョグチョにされるん最高なんや。     僕だって、あそこを突いて狂いたいんや。  でもそれ以上に、アイツと話したいんや。  「なぁ、僕ので突いて欲しいやろ?・・・なぁ、こんなん女の子はしてくれへんよ?」  僕はアイツの胸を優しく撫でながら言う。  乳首を掠めるように手のひらで撫でたなら、敏感な身体がさらに悶えだす。    でも、アイツが欲しがっていることはしてやらない。  奥まで入れても突いてやらないし、大好きな乳首も弄ってやらない。  「ううっ、ふぅっ・・・イヤァ」  アイツはまた泣く。  欲しくて。  奥を淫らに突いて、乳首をいやらしく弄って欲しいのだ。  それが大好きだから。  だから泣いてる。  泣きたいのはこっちなのに。  わかってない。  わかってない。    いっつも少しもわかってない。  「こんなに前から濡らして、欲しがるやん・・・もう今更女なんか抱けんの?、なぁ」  僕は少しだけ突いてやる。  ああっ  アイツは喜んで身体を震わせたが、すぐに終わったことに耐えられず、また泣きじゃくる。  「お願い・・・意地悪せんでぇ・・・」  泣き叫ぶ声が愛しくて、切なくて、今すぐめちゃくちゃに突いてやりたくなる。  でもそれ以上に、泣かせたかった。  苦しませたかった。  コイツは。     コイツは・・・女の子に優しかったのだ。  腕が吹き飛んだ少女の命を救うため、止血してたのもなんか引っかかってる。  僕とは違う、小さくて柔らかい女の身体がアイツの下にあった。  命を救うために止血してただけや、それはわかってんのに。   僕は簡単に想像できた。  誰か女としてるアイツを。  女は無理やとコイツは思ってる。     だけど、コイツは僕を好きだと言いながら、現実で僕とすることは想定してなかった位の、コミュ障や。  僕が無理やりしたから、こうなってるけど、アイツは人間全般があかんと思い込んでいるだけで、もしかしたら肉食系の女の子にむりやり押し倒されたなら、どうなっていたのかわからない。  そういう想いが僕にはあるんや。  綺麗なコイツを見つけ出した女がおったなら。  コイツの隠された顔や身体の綺麗さと、この淫らさに気付いた女がおったなら。  この快楽に弱い身体を貪りたい女がおったなら。  女はコイツを咥えこみ、僕とは違うやり方でコイツを泣かせるんやろか。  女の小さな綺麗な指がアイツの身体を愛撫する。  赤い唇がアイツの乳首を吸い、アイツの上に跨がり腰をふる  アイツは泣くのだろうか。  「もう許して」と、女にも。  いやや!!  僕唇を噛み締めた。    突いては止めて、突いては止めてをくりかえす。  アイツがおかしくなるように。  欲しくて欲しくて、泣き叫ぶように。 と  「女の子はしてくれへんぞ!!こんなこと!!」  僕はアイツの中に焼き付けるように言う。  僕だけや。    僕だけや。  お前が欲しがる快楽与えてやれんのは。  お願いや。  お願いや。   して、もっとしてぇ、  アイツが必死で泣き叫ぶ。  それに安心する僕は最低や。  でも僕は我慢を止めて、アイツがして欲しいように、何より僕がしたいようにうごきだした。  一番奥の感触を味わった。  グポグポと奥への入り口を味わう度に、アイツが泣き叫ぶ。  痙攣し続け身体が、絞りとるように蠢く中が愛しくてたまらなかった。  そんなに僕が欲しいん?  欲しいんやね。  それに歓喜する。  押さえつけて、深く沈み、一番奥を味わう。  ふうっ  ふうっ  ヒィっ    アイツの叫びに音が消えていく。  声が枯れていっているのだ。  もう何も出さないでイキ続けている。  あんなに欲しがっていたくせに、今度は止めて止めて、もう止めてや、と声にならない声で泣いている。  イキッパのくせに。  「僕もお前と一緒で女は知らん。知ってんのはお前だけや。・・・なあ、女はお前よりええんかな」  僕はアイツの耳許で囁いた。    アイツの身体が途端にビクンと震えた。  性的なものではないそれに僕は満足した。  思い知ればいい。  僕が女の子といたお前を見てどんな想いをしたか。    「お前のここより女の子のんは具合がええんかなぁ、したことないから知らんけど。どんなんなってるんやろーな」  僕はアイツの腰を抱え込んで、大きくスライドさせながら言う。  めちゃくちゃ気持ちええ。  女のなんかいらん。   ずっとこうしていたいと思いながら。  腕の中のアイツの身体が固まる。   柔らかくとろけていた身体がが堅くしまる。  小さく嗚咽する声が聞こえた。  快楽の声やない。  時折ださせちゃう苦痛の声でもない。  胸がしめつけられた。  アイツが泣いてる。  僕が女とすることを考えて。  でも同時に安心するし、思い知れとも思う。  僕は女の子を抱き締めるアイツを見たのだ。  アイツが女の子とするとこを考えて、・・・まぁ、勝手に考えたんやけど・・・苦しんだんや。  「女の中はどんなんかな、お前みたいに突いたら鳴くんかなぁ、なぁどう思う?」  僕はそこを擦りながら言った。  アイツの好きなとこ。  堅く固まっていたアイツの身体は途端に蕩ける。  与えられた快楽を貪り始める。  「あっ・・・いやぁ・・・ああっ」  鳴き始める。  僕がしてるからや、僕やからや。  僕が本当に愛してるからや。  なあ、そうやろ?  それともお前誰にでもこうなるん?  嫌や、そんなん。    僕はお前しかいらんのに。   お前だけやし、お前しか見てへん。  なのにお前は僕の気持ちを信じてくれへん。  「女の子の中もこんなに気持ちええんかな、なぁ?お前も知りたいんか?・・・されるのが好きなくせに」  僕は苛立ちをぶつけるかのようにキツイ調子で言ってしまう。  振り返り僕を見つめるアイツの目から、溢れる涙に安心してしまう。  コイツが泣いてることに。  「僕が女の子としてもええの?なぁ?女の子を抱き締めて、こんな風に。女の子にも後ろの穴はあるしな。でも、ここはお前とは違うかな、ここは女の子にはないもんな」  僕はアイツの中のコリコリしたのがあるとこをこすってやった。  前立腺。  女の子にはない、はず。  振り返って傷ついた目をしていたアイツが、それどころではなくなり、身体をそらせ、震える。  ほら、前からもうほとんど出ないそれを迸らせる。  「女の子はこんなん出さへんよなぁ」  僕はアイツの出した後の性器をゆるゆると触ってやった。  アイツが出したばかりのそこをそこを触られ、悲鳴をあげる。  僕もゆっくりアイツの中で放ち、放ちながら動いてやった。  「でも女の子の中で出したら妊娠しちゃうやんな」  僕は笑った。  何度も出したことを確認するように、グチャグチャと音をたてかき混ぜながら。  アイツが低い声で泣きながら、それても感じていることに満足していた。  僕に感じて、僕に傷ついていることに。  僕を愛しているから。  僕のや。  僕だけのや。   全部僕のや。    満足したら、途端に苦しくなった。  これは酷いことや。  酷いことをしたんや。  低い声で泣き続けるアイツのグチャグチャな顔を見てしまったら、愛しさと劣情と、激しい後悔が押し寄せてきた。    もっとめちゃくちゃにしたいと思った。  僕のために泣かせたい。  泣いて。  僕だけのために。  でも、それ以上に後悔した。  僕はまた酷いことを。  コイツが僕を受け入れられへんのはコイツだけのせいやないて分かってるのに!!  「ごめんなさい!!」  僕は慌てて引き抜きアイツを正面から抱き締めていた。  「行ってもええ・・しゃあない・・・でも・・・でも・・・女の子んとこ行っても・・・友達ではいさせてくれや」  アイツが泣きながら言った。  「俺なんかの身体で満足出来へんのは分かってる・・・女の子の方がええのもわかってる・・・」  アイツが小さな声で僕の腕の中で震えている。  しまった。   僕は間違った・・・。  違うのに。  「違う・・・!!違うんや!!」  僕は叫ぶ。    「俺を・・・俺を・・・捨てないで・・・」  小さな声が僕の胸を突き刺す。   どんな罵声よりも拒否の言葉より、僕を打ちのめす。  誰より傲慢な、人に頭を下げるのが大嫌いなアイツが僕に捨てないでくれ、とせがむ。  「飽きたら抱いてくれんでも・・・ええんや・・俺を嫌いにならないで・・・それに・・・女の子には出来へんようなことでも・・・俺にやったらしてもええんや・・・それでいいから・・・」  しがみつかれる必死さに、僕は死にたくなる。  何言わせんの?  僕、コイツに何言わせてんの?  僕の最愛の恋人に、何言わせてんの?  都合の良いセフレみたいなセリフ何で言わせてんの?  これは・・・僕のせいなのだ。  「違う・・・違う・・・愛してるんや!!」  僕は絶叫するけど、それが届かないことはもうわかってる。  届かないのはいつものことだけど、今日は僕がさらにアイツを遠くした。  アイツを女と比べるような真似をした。  自分の満足のためだけに。  「ごめんなさい、ごめんなさい」  僕はアイツを抱き締める。  「捨てへんで・・・俺は・・・お前がおらんと・・・」  アイツが僕の胸の中で泣く。  化け物しかない屋敷で、いつか自分を喰う生き物である赤と黒だけを家族にして暮らしていたコイツが初めて求めたたった一人の人間が・・・僕なのに。    僕はコイツを傷つけてしまった。  また、だ。  僕は。  僕は。  コイツを傷つけてばかりで、コイツを苦しめるばかりで・・・。    「許して。許して・・・愛してる、愛してるんや・・・」  僕は一番届けたい人には届かない謝罪と、愛の言葉を繰り返す。    「離さんといて・・・側におって・・・」      恋人が呟く声に何度も何度も頷き、抱き締める。  それだけは守れる。  離さない。  離れない。    どんなに身体を繋いだところで、何一つ伝わらなくても。  僕は、僕達は離れない。  互いを離さない。  届かなくても。    

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