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第3話

   *  寝室とリビングのカーペットを決めてから、カーテンを選んだ。二人とも、その辺の趣味はあっているようですぐに決まった。服の趣味は違うのに、面白いなと思った。カーテンの生地に合わせた糸がほしいので、手芸店にも寄った。セール品のカートに、ガラスの球体のようなものが並んでいた。 「これなに?」 「エアプランツだね。こうやって吊るすんだよ」  確かに紐を通すような穴もある。 「風鈴みたいなもの?」  音が鳴るのかと揺すってみると、京さんが笑う。 「テラリウムだよ。また最近ブームになっているよね。苔とか多肉植物とか」  多肉植物と聞いて納得した。ガラスのドームや瓶に多肉植物を入れてオリジナルのものを作るんだっていうのを、なにかでみたことがある。 「苔も?」 「色々あるんだよ。自分の庭園がこんな小さな世界にできる。ミニチュアのおうちや動物模型とか入れたりして遊べるし、ジャングルにもなればメルヘンにもなる」 「面白そう」  にこりと京さんが笑う。 「じゃあ、今度作ってみよう」  俺も笑顔で返す。やりたいことがあるって素敵だ。毎日が眩しい。

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