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第4話
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ランチタイムでごった返す前に買い物が終わったので、焼肉を食べて帰った。昔ほど大食いではなくなったけど、それでも一人前は食べた。京さんの料理が美味しいから、毎日気づかないうちに普通になってきているんだと思った。さっき「太ったら……」って口にしたのは、ちょっと心配しているから。気づかないうちにモリモリ食べて、気づかないうちに太ってたら痩せられないと思う。運動キライだし。太ったことを京さんが喜んだとしても、俺はきっと落ち込む。
車から荷物を下ろして、京さんは車を駐車場へ戻しに行った。
「置いといていいよ」とは言われたけど、自宅前で荷物番をしているのもおかしな感じだ。
少しでも運んでおこうと思ったが、カーペットは重くて持ち上がらなかった。すると、ジムトレーナーのお姉さんが出てきて手伝ってくれた。スゴいスタイルでスゴい露出が多い。そんな恰好で外へ出ていいのだろうかと思うくらいだが、重たいカーペットも軽々と運んでくれた。
「三枝さんは鍛えているのに、君はやらないの?」
こんがり焼けた胸を反らしながら言う。
「運動苦手で」
予想通りの回答だったのか、トレーナーのお姉さんは大きな口を開けて笑った。
「部屋のよしみでトレーニング無料にしてやるから、鍛えたくなったらおいでよ」
怪我もしなくなるよ、笑いながら軽快に階段を下りていった。
そうか、朝晩トレーニングしている京さんにとってはありがたい環境だったらしい。暇でゴロゴロしていると一緒に走ろうかと、時々言われる。何度断っても懲りずに誘ってくる。そういうちょっと面倒な人種が下にはいっぱいいるのかもしれない。
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