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第24話

そんな事が2,3度続き、僕達は最高学年になった。 山野に対して後ろめたさを感じつつも、玉井との行為に慣れさせられた体は次の約束の日を心待ちにするようになっていた。 金曜日の我慢大会は続いていたが、僕の家ではさすがに玉井もそういう行為をしようとはしてこなかった。 「今夜のご飯は何かな?家政婦さん、本当に食事作るのうまいよねぇ。」 「山野はよく食べるもんなぁ。いっぱい食べてもらえると作るのが楽しいって、家政婦さんも喜んでるよ。」 「へへ。美味しいものをお腹いっぱい食べて、ぐっすり眠れるって幸せだよねぇ。」 ニコニコと山野が笑顔で話す。 「山野って、一回寝るとなかなか起きないよね?」 山野がうんと頷く。 「そうなんだよ。けっこう大きめの地震が来ても起きないから、家族からは一番初めに死ぬぞって、いつも笑われてる。何かあった時には蹴飛ばしてもいいから起こしてね。」 「蹴飛ばしはしないけれど、起こしてあげるよ。」 そう言って山野と笑いながらしゃべっている後ろで、玉井が思い出したようにちょっとコンビニに寄ってから行くからと店に入って行った。 山野と先に僕の家で待っていると玉井から連絡が入り、僕が迎えに出た。 「どうかしたのか?」 僕が尋ねると、ちょっとなと言って口をつぐんだ。 いつも通りに3人で夕飯を食べ、勉強をしたり、読書をしたりして過ごし、入浴後に各自の部屋にお休みと入って行った。 うとうとし始めたそろそろ日が変わるころ、キーッと扉の開く音がした。 うん?と不思議に思い、上半身を起こして明かりをつけるため、リモコンに手を伸ばす。 ボタンを押すと、パッと明るくなった部屋の中、扉の側に立つ玉井の姿が見えた。 「玉井、何で?」 パタンと扉を後ろ手に閉め、こちらに向かって歩いてくる。 手には先ほどのコンビニの袋。 「しーーーーっ。」 指を口に当て、ベッドのそばまで来ると、ゆっくりと僕を押し倒した。 「抵抗しないのか?」 玉井が尋ねる。 「抵抗しないといけないような事をするつもりなのか?それなら大声を出して、山野を呼ぶまでだ。」 僕がきっと玉井を睨む。 「無理だな。」 玉井が袋の中からネクタイを4本取り出すと、僕の手にその一本を結び付け、ぐっと引っ張り上げるとベッドに括りつけた。 「玉井、やめろよ。これ以上するなら山野を呼ぶ。」 「だから、無理なんだよ。」 「何が無理なんだよ?」 僕のもう片方の手も同じように括りつけていく。 「あいつは起きてこない。いや、起きられない。」 「山野に何をやったんだ?」 「俺は何もしてはいないよ。ただ、さっきの話を聞いて兄貴に聞いただけだ。」 僕の足を掴むと手と同じようにベッドに括りつけていく。 さすがにこれはまずいと抵抗してみるが、玉井の腕にしっかりと挟まれて動かせない。 「どういう事だよ?玉井、どうして山野が起きられないんだよ⁈」 「睡眠薬みたいなもんだよ。山野の飲んでいる薬の中にそれに近いものが入ってるんだと。一回飲むと朝まで起きることは無いって、兄貴にさっき電話で確認した。」 「なっ!」 「今更だけどな。あいつが起きるのが苦手って話を聞いた時に気が付いてればなぁ…まぁ、そういう事だ。」 そう言ってもう片方の足も括りつけると、僕の服を脱がせていく。 「ちょっと待てって!それでもこの家では協定があるだろ?」 僕の言葉に一瞬手が止まる。 「やれるってわかってるのに、やらないでいろって?それができるほど俺は人間ができてないよ。」 そう言いながら再び服を脱がせていく。 「ダメだ、玉井…山野にこれ以上嘘はつけない…。」 「分かってるよ、福木。」 そう言うと玉井は優しく僕の頭をなでる。 そのまま顔が近付き唇を合わせた。 「たま…い…」 「俺が無理矢理やってるんだ。お前は縛られて何もできない。だからお前は何も悪くない。」 「ダメだ…って。ばれたら一緒にいられなくなる。」 「福木…俺と一緒にいたいって思ってくれるのか?」 玉井が驚いたように僕に尋ねる。 「い…たい。山野ともいたいし、お前ともいたい。勝手なこと言ってるのは分かってるけど、二人と一緒にいたいんだ…だから!」 ぐっと玉井に抱きしめられた。 「じゃあ、黙っていればいい。悪いのはお前を縛って自由を奪っている俺だ。お前は仕方なく俺に抱かれる。後ろめたさを感じることは何もない。」 「そんなの無理だよ!」 そうだなと言いながらも玉井の手は僕の服を脱がせていく。 「でも、俺ももう止まれないんだ。山野に言いたかったら言ってくれてもいい。もう限界なんだ…俺に抱かれて欲しい。」 苦しそうな玉井の顔にきゅうと心臓が掴まれるような痛みを感じた。 「言えるわけ…ないだろ…。」 「今から、お前を俺のモノにしていいか?」 「…痛いかな?」 ぼそっと呟いた。 「痛くなくとは無理だと思うが、出来る限り負担をかけないようにする。」 「明日、起きられなかったらどうするんだよ?」 「俺が看病する。」 「山野に何て言うんだよ?」 「俺がうまく説明する。」 あまりにも必死な玉井の姿に、笑ってしまう。 「はぁ…お前のモノになるなんて思いもしなかったよ。」 「福木っ⁉」 「そんな声出すなよ。僕の方がびっくりしてるんだ。」 「本当にいいのか?」 玉井がゴクンと喉を鳴らす。 「だって、しかたないだろ?お前にされてもいいって思ってるんだから。」 「福木、俺のモノだ!」 玉井が僕を抱きしめる。 「でも、僕は山野の事も愛してる。それでもいいのか?」 逆に玉井に問う。 「あぁ、それも含めて福木だから。だからいいんだ。」 ふわっとした笑顔で玉井が僕を見つめる。 不覚にもときめいてしまった僕の顔が赤くなる。 「どうした?」 横を向いた僕を玉井が不思議そうにのぞき込む。 「なんでもないっ!それよりするならさっさとしろよ!」 自分の気持ちを隠す為、言葉がきつくなる。 玉井がそれを聞いて舌で唇を舐めた。 「煽ってくれるなよ。我慢がきかなくなる。」 「お前に我慢なんて言葉似合わないよ。」 「福木…」 玉井の唇と僕の唇が合わさり、二人の舌が絡み合う。 こんなキスをもう何度かわしただろう。 でも、今夜は違う。 今夜、僕達はラインを超える。 その事がいつもよりも僕達の体を熱くし、無意識に感情が昂る。 すでに裸にされている僕の下半身はググっとそそり立ち、玉井の腹にこすりつけるように腰が動く。 玉井が自分も服を脱ぎ、初めてその下半身を僕は目にした。 じっと見つめている僕を見た玉井が、おいおいと笑う。 「そんなに見るなよ。」 「いつも見られてるお返しだ。」 僕が言うと、玉井がニヤッと笑い 「そうだな。これからお前の中で暴れまわるこいつを今の内によーく観察しておくんだな。」 そう言われて、ついごくりと僕の喉が鳴った、 玉井の舌が首筋から鎖骨を這い、胸に下がってくる。 指で突起を弾かれ、ああとたまらず声が出る。 いくら起きてこないと言われても、大きい声を出すのはためらわれ口を閉じる。 舌で突起の先端をチロチロと舐められ、口が開きそうになるのを唇を噛んで我慢する。 玉井が指で僕の口を開かせると、我慢していた声が零れ出る。 「た…まい…声、でちゃ…うぅぅんん」 「聞かせろよ、お前のその声。俺でお前が感じてる声。」 「や…だ、はずか…しい。」 「そんなの思う暇もないくらいに感じさせてやるよ。」 そう言うと玉井の舌が激しく刺激を与えてくる。 静かな部屋に僕の嬌声が響く。 もっとだというように玉井の舌が、手が僕に刺激を与える。 それに呼応するように僕の声もだんだんと大きくなっていく。 「あぁぁあ!」 玉井の言うように、何も考えられなくなる位の快感が僕の体を飲み込み、大きな声が口を突いて出る。 ぬるっとした感触に下半身がビクンと反応して、一気に熱が集まっていくのを感じた。 どくんどくんと全身が心臓になったように脈打ち、全神経がそこに集中する。 玉井の口の中で与えられる刺激に、思いのほか我慢できずにすぐに口内に放出した。 玉井が飲み込みながら、早いなと笑う。 お前のせいだと言いたいが、荒い息をついたままで睨むのが精一杯だった。 「もっと感じさせてやるからな。」 そう言って、指にローションを垂らすとぬぷっと音を立たせて僕のキュッとしまった渦の中に指を入れた。 「ふううん。」 ぞわぞわしたものを感じて声が出る。 玉井がぐちゅぐちゅといつもよりも念入りに渦の中を解していく。 二本、三本と指が入る。 「あぁぁっ!」 その指がいつもよりも奥に向かって出し入れを繰り返し、僕の感じる部分を何度も擦る。 「玉井っ!もっ…むり…っ!」 「まだだ。」 そう言って指を抜いた。 刺激のなくなった体が一瞬ほっとしたのもつかの間、 「入れるぞ!」 そう言って玉井がぐっと今指を抜いたそこに自分の下半身を押し当てると、その固いものをずずずずと押し込んできた。 「いっ…あぁぁぁぁ!!」 悲鳴に近い声が出る。 「大丈夫か?」 玉井が心配そうに聞いてくる。 「ちょ…っとまって。玉井のがここで苦しくてって、あ、やめ…っ!」 ポンポンとお腹を叩いた僕を見た玉井が一気に腰を動かした。 「ばか…やろう!」 そう言って玉井が僕の腰をグイっと引き寄せると、一気に奥まで突き入れ、感じる部分を何度も何度も刺激された僕は嬌声を上げながら玉井と共に果てた。 その後、宣言通りに僕の中で何時間も暴れまわった玉井の下半身に付き合わされた僕は、翌日玉井の看病を受け、心配してくれる山野への後ろめたさに苛まれる一日を過ごした。 ただそれ以上に、幸福感を感じている自分に驚いていた。

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