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全力で愛でたいと思います!!
「かなちゃんこのお菓子、うちつくってん。食べてみて」
奏汰の前に差し出した俺のマフィンに
「ありがとうございます。」
って笑顔かわいいいいいいい!!!!
「てか、そのスプレーは何なんだ?」
訝しげに時成が聞いてきた。
まぁ言うとかんとあかんわなぁ・・・。
「運命に拒絶されたショックでフェロモン異常になっちゃってさ。無意識に垂れ流ししてんのよ。抑制剤飲んでてもあんまり効果なくて、首輪つけて消臭剤でごまかしてる感じ。おかげで人の前にでられへん。」
笑いながら説明してるけど、やっぱり少し・・・少しだけ辛い・・・。
気づいたら、俺の横に座って抱きしめてくれて
「大丈夫。大丈夫。」
ってささやきながら背中を擦ってくれて少し泣いちゃって・・・・。
「く、くるしい・・・・。玲桜さん。苦しいです・・・。」
泣いちゃったのが恥ずかしくて、かなちゃんを思う存分ギュウギュウと抱きしめ返してる。
何この心優しい子は!!!
可愛すぎませんか?
お持ち帰りおkよね?
「あぁ癒やされるぅ。何この子。もう連れて帰っちゃう。」
「ふざけんな!バカ!!早く離れろ」
って時成に引き剥がされちゃった。
けど、本当に嬉しかったんだ。
人のぬくもりに、温かさにずっと浸っていたくなる。
ここまで弱ってる自分に少し辛くなったけど
「かなちゃん!連絡先交換しよう!!!時成もついでに聞いとく!」
スマホを取り出してかなちゃんの連絡先をゲットだぜ!!!!
「はぁ~おれはついでかよ・・・。ほら、俺のこれ」
呆れながらも教えてくれる優しい元弟にほっこり。
「病気の方はどうにもならないのか?」
と紅茶を入れ直してから三人とも座り直して真剣な顔で時成が聞いてきた。
「番ができるまではどうにもならないんじゃないかな?」
マフィンにかぶりつきながら、我が出来栄えに舌鼓を打つ。
「運命とは・・・・番にならない気か?」
「嫌われちゃってるからね・・・。顔を見るたびに鬼のように睨まれるよ。ほんと、笑っちゃうくらい鬼の顔よ。」
微笑を浮かべながら答える俺は、まだまだ心の整理がついていないようだ。
まだグズグズと胸の内側から血が流れるような思いに苦しくなる。
好き・・・なんだよな・・・・。
運命とか関係なしに、容姿も好きだけど、みんなに優しいところも、
オメガだからとバカにすることもなく真摯に対応している姿とか、
ご飯を食べる姿が綺麗とか、
嫌いなものが出ると少し眉間にシワを寄せつつもお茶で流し込む姿とか、
些細な仕草や癖が可愛いなって思ってたんだよな。
「あ~相手わかったわ。遠凪だろ?遠凪 生馬。威嚇フェロモン出してたからなぁ。会社関係で絡み有るから気をつけといてやるよ。」
生馬そんなに嫌っていたのか・・・
時成が俺を気遣ってくれるのはわかったけど、奏汰の口についてるマフィンのかけらを拭いつつ、あ、やっぱりその指は舐めるんですね。
甲斐甲斐しいにもほどがあるなおい!!
「そ、そんなことより、現状を教えてくれよ。」
気分を切り替えて、時成の話を聞きたい。
前世と今世の差をしりたい!!
「尾瀬グループの息子で、今は高校行きつつ会社を立ち上げて社長もしてる。奏汰とマンションで暮らしてるけど、駅近くに新しく建つマンションはもう買ってあるから近日中に引っ越す予定。まぁ、子供はもう少し軌道に乗ってからかな。大学も卒業したいし。大学は海外を考えてたからどうしたら奏汰と行けるか、考え中って感じかな。」
かなちゃん、そんな驚く?
時成、言ってなかったんだろうな。
「社長!?・・・・マンション買った!?・・・・・子供!?」
って驚くたびに時成の方を見るもんだから、おかしくって声出して笑ったわ。
泣き笑いなんて久々だわ。
「んふふふっかなちゃん可愛すぎでしょ。あぁおかし。」
「可愛いでしょ?やらないからな?」
って奏汰を抱きしめながら威嚇してくんな!
「愛でるのは自由です~。ねぇかなちゃん。」
真っ赤な顔でワタワタしながら、
「玲桜さんはどうなんですか?」って話しそらしたな。
時成は前世と対して変わらないことがよくわかった。
うん、相変わらずのハイスペック野郎だ。
「俺は、小野山 勇(このやま いさむ)の次男で、病気のせいで学校はレポートを家でして、テストだけ特別待遇で学校に受けに行くって感じ。で、後はBL鑑賞をしつつパソコンで遊んでる。外にも出れないから最近はパソコンの前で過ごしてばっかよ。」
ほんと毎日これで飽きてくるんだよなぁ。
「たまに料理したりお菓子作ったりするけど、食べてくれる人も居なくてさぁ。だからかなちゃんいつでも、遊んでね!!よろしくおねがいします!!まじで遊んで!!!ほんと暇で暇でしかたないのよ。」
作ったものを消費してくれる人のありがたさよ。
余計に寂しくなるから作るのも飽きちゃったんだよな。
「俺で良ければいつでも!!!こんなに美味しいの、毎日でも食べたいです!!」
って何この笑顔!!いつまでも、守ります!!
「一緒に作ってもいいよね!かなちゃん料理好き?」
「たまに少しだけやるくらいですね、得意じゃなくて・・・。」
そんな、申し訳無さそうに言わないの!!
「じゃあ一緒に特訓だ!!学校終わったらうち来てよ。時成も仕事で忙しい時もあるでしょ?」って時成よ、難しい顔して何考えてんだ?
まいっか。
「はい!一緒にやりましょう!!何が良いですかねぇ?肉じゃが?カルボナーラ?酢豚?」
「それ絶対に今食べたいものでしょ!!」
ほんとかなちゃんと喋ってると楽しすぎて、時間が経つのが早すぎる。
ああああああお持ち帰りしたいいいいいい!!!
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