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お兄様ヒャッフウウウウウウウウ!!
見つめて興奮しフェロモンが溢れ出すお兄様、見つめてだんだん息が荒くフェロモンが溢れ出してくる地味な子。
バッチイイイイイン!!!
俺はもみじが出来そうなくらいの勢いでお兄様の背中を引っ叩いた!!
上に取ってる俺の部屋とは別の部屋のカードキーを差し出し
「お兄様、早く連れて行ってあげないと!!この子が!!」
叩かれた痛みで理性が戻ったお兄様は、俺からカードキーを受け取って地味な子をお姫様抱っこでパーティ会場から連れ出して行った。
くわああああああ!!
めちゃくちゃ破顔してたぞ!!
お兄様!!ついに、ついにですよ!!
お兄様に運命がきたああああああ!!
あの溺愛が無くなるとは思ってないけど、番を大事にする為に減るのは嬉しい。
とりあえず、パパとママに報告だ!!
「嘘でしょ…なんであいつが…捨て子のくせに……」
って、オメメクリクリチワワが苛立ちを隠さずに、お兄様が出て行った方を睨んでる。
その場で俺はパパに電話をかけ始めた。
「パパ!お兄様についに運命が!であっちゃいましたよ!!」
興奮が抑えられない俺!!!
「やっとか!仕事の方はこちらで手配しよう。やっとか…。」
って感慨深いようで2度言ったよ。
「まぁ色々と有るぽい子のようだけど、そこはお兄様がそれ相応の対処をなさられるでしょう。アルファの報復を受けるような方が出て来なければ良いのですが…。」
とオメメクリクリチワワに聞こえるように。
おうおうおう!!なんかやってたんだろう!!
こちらを青ざめた顔で見てくんじゃねぇ!!
はぁ〜まじか…。
これはかなちゃんと時成に情報貰っといた方が良いのか?
けど、お兄様に任せて良いことだしな。
首突っ込んで良いものかどうか・・・
「後はこちらに任せてくれて大丈夫だ。じゃあな。」
ん〜〜さすがパパ!
頼りになるぅぅぅぅ。
「良平と玲桜のお兄さんが……運命の番だったんだな…。」
うん、かなちゃん驚いてる顔も可愛いけど、あご落ちそうだよ!!
「お兄様、ずっと運命を探してて、やっと見つかったからなぁ。良平?って子からお兄様が離れないぞぉ!!番が見つからなくて、俺を代わりにしてた部分があるからな。」
あの過保護っぷりは運命が見つけられなくて、その言い訳に俺に当ててたからな!!
絶対に!!
「あの冷酷社長が… 玲桜に対してあんなにデレてるのもビックリしたけど、家族愛というか、番愛と言うか、驚きすぎて言葉にならない…」
時成も驚き過ぎて、唖然としてる。
俺に対するお兄様の溺愛を知っているから、パパみたいになるんだろうなぁって簡単に想像がつくけど、お兄様の普段を知らない人からすると面白いくらい驚く事なんだろうなぁ。
「高校くらいは卒業させてあげると、いいな……。」
と、思わず遠い目になる俺。
「あの社長なら高校くらいは通わせる・・・・いや、自分で勉強は教えそうだな。まぁ、通わせるなら特別枠の玲桜が居るからな。そっちに転校させてって事になりそうだな。」
それやん!!
時成ナイスアイデアだ!
よっしゃあああああ!
そうなるとですよ!
一緒にカラオケとか、一緒にゲーセンとか!!
放課後一緒に遊んでくれるかもしれないやん!!
あ……俺のフェロモンの問題が有りましたね……。かなしみ………。
「そうそう!時成、仕事も忙しいとは思うんやけど、どっかで数日時間作れないか?みんなでバーベキューとかしたい!!かなちゃんと遊びたい!!夏休みを楽しみたい!!どっか行きたい!もう軟禁生活飽きた…。」
ってここがパーティ会場ってことも忘れて、場所も考えずに言っちゃった。
「軟禁されてんの?」
と久々の松前君では、ありませんか!!
君いたの!?
「てか、すごいフェロモンが匂ってるぞ。」
ああああああ忘れてた!!
焦らず、騒がず、シューーー!
ついでに松前君にもシューーーー!!
シューーーーー!!
シューーーーーーー!!
「ちょ、なにこれ、消臭剤??」
「これで俺の匂いも消えたでしょう!!?」
いつぞやの恨みまだ根に持ってるからな!?
俺に近づいてきてクンカクンカするんじゃありません!!
近い近い!!
胸と腹押して遠ざけようとしてるのにこっちの力が全く効いてない。
スーツの上から触っても良い筋肉つけてるのがわかる。
悔しいとか思ってないからな!!
睨んでも効きもしない。
どんな神経しとんじゃ!!
たく!!
横から時成の手が出てくるのが見えて助かると思ったら、左腕を真後ろに引っ張られぐるっと視界が回って胸の中にハイ着地!!って……。
??!?!?!??
ヤバイ!!
マズい!!
フェロモンが溢れ出ているのがわかる。
ヤバイ止められない!!
ダメだ。
甘い匂いに俺の脳が痺れてきてそのまま意識がブラックアウトしてった……。
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