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第一章・10
「今日はこの後、カラオケに行かない?」
「カラオケ、ですか」
「そう。上映の中で、清水くんが歌った『星めぐりの歌』、よかったなぁ」
「恥ずかしいです……」
あぁ、鳴滝さんとこの後、カラオケに行けたらどんなにいいだろう。
だがしかし。
「すみません。この後、バイトなんです」
「そう、だよね」
残念、と和正は眉をハの字に下げた。
休日も、全く合わない二人だった。
和正は土日が休みで、祐也は平日が休み。
土日のプラネタリウムは、かき入れ時なのだ。
祐也が希望休を出せるはずも無かった。
(しかし、清水くんは何のバイトをしてるんだろう)
そこまで訊くのは馴れ馴れしい気がして、ためらっている和正だ。
そのうち、彼の口から聞けるのを待とう。
そんな気持ちで、今夜も別れた。
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