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第三章・3
ほろ酔い気分で、和正と祐也はベッドに上がった。
また、着衣のままで。
プラネタリウムプロジェクターで、室内に星の明かりが灯る。
暗くした部屋の中、二人で仰向けになって、ただその光を見ていた。
「清水くん、手を握ってもいい?」
「どうぞ」
OKをくれたのは、俺だからなのか。
それとも、俺が客だからなのか。
どうでもいい、と酔いの回った頭は結論付けた。
そっと祐也の手を握ると、予想以上に華奢だった。
握り返してくれる、彼の思いやりが嬉しい。
(嫌がらずには、いてくれてるみたい)
手を握ったまま、和正は他愛ない話をした。
子どもの頃、宇宙飛行士に憧れたことはない?
いつか人類は、宇宙に住めると思う?
宇宙人って、ホントにいるのかなぁ?
その一つ一つにていねいに答えてくれる、祐也。
一日の疲労と、心地よい満腹感。それから酔いが、和正を包み込んでいった。
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