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第五章・2
宵闇の広がり始める頃から、二人は再び自動車で出かけた。
「祐也、きっと気に入ってくれると思うよ」
そんなことを言いながら、ハンドルを握る和正の隣で、祐也は胸を躍らせていた。
星を見るのは、楽しみだ。
だが、それを和正と一緒に味わえるという点が、さらに嬉しかった。
ほとんど、というより全く交通の往来が無い路肩に、和正は車を止めた。
自動車から降り、ガードレールの切れたところから海岸林へ足を踏み入れる。
時々人が通っているんだろうな、と解る程度の、まるで獣道のような地面をつたって、祐也は和正の後に歩いた。
「さ、着いたよ」
「うわぁ。海だ!」
目の前には、小さな砂浜が。
そしてその向こうには、広大な海と空とが広がっていた。
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