43 / 97

第五章・5

 実はもう、200万円用意してある、と和正はバッグから封筒を出した。 「君を店で買うようなことはしたくない。恋人として、俺と付き合ってくれないか?」  君の力になりたいんだ。  そっと握ってきた和正の手は、とても温かかった。  祐也は、その手を握り返していた。 「僕なんかで、いいんですか?」 「君が、いいんだ。祐也」 「和正さん」  来てくれるね、と囁いた和正への返事の代わりに、祐也は強く手を握った。  闇の中、星明りを頼りに唇を合わせた。    星降る夜に、二人は恋人になった。

ともだちにシェアしよう!