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第七章 言えないこと
「専業主婦の月収って、ある試算によると約36万4000円なんだって」
だから俺は、祐也に毎月40万円支払うよ。
そんな和正に、祐也はぶんぶん首を横に振っていた。
「家事って言ったって育児はありませんし、一日のうち8時間はプラネタリウムで働いて、家を留守にしますし!」
そんな大金は受け取れない、と祐也は必死で断った。
「欲が無いなぁ」
祐也の奨学金は、和正が代理で返済した。
和正にとってみれば、祐也がマンションの家事をしてくれることに支払われる代金の中から、ぼちぼち返してくれればよいのだが。
いや、正直なところ、返さないでもいい、とさえ思っていた。
しかし、それには祐也が反発してきた。
「和正さんに、借りは作りたくないんです」
「借り、だなんて。ここは甘えて欲しいんだけど」
「僕、和正さんにずっと甘えっぱなしです。これ以上甘え続けると、自分が駄目になってしまいそうなんです」
「う~ん」
要するに、対等でいたい、ということかな?
和正は、そう解釈した。
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