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第八章・6
祐也は、夢中で和正に奉仕した。
和正は、夢見心地でそれを受け入れていた。
「ん、はぁ。ふぅ、ん、ぅん。ふッ……」
唾液の水音に混じって、祐也の密やかな声が響く。
軽やかな舌づかいと、具合のいい唇の締め付け。
そして、喉奥まで届けとばかりに吸い込んでくる抜き差し。
以前は風俗のお世話になっていた、和正だ。
その筋のプロに施してもらったことなど、何度でもある。
だが、懸命な祐也の愛撫は、どこの誰よりも和正を感じさせた。
「っく、あぁ。祐也……、ダメだ。もう、出る……ッ!」
「飲みます。出して」
「バカ言うな。そんなことッ、させられない!」
「お願い。今夜は、飲ませて……」
上目遣いの潤んだ眼に、くらりと来た。
「あ、やばッ!」
慌てて根元を掴んだが、和正は思いきり射精してしまった。
「ん、くぅッ! ん、ふッ。んっ、んッ、んぅう……」
むせもせず、上手に飲み干していく祐也だ。
だが和正は、それを巧いと褒めはしなかった。
褒めれば、逆に祐也は傷つくだろう。
風俗にいたせいで巧くなった、と言われているようで、悲しむだろう。
「はぁ……、すごく感じたよ。フェラでイッちゃったのは、久しぶり」
そして、祐也に口づけた。
彼の咥内に残る精を、きれいに舐めとってやった。
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