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第八章・7
祐也は頬を染め、和正の気配りに酔っていた。
2ヶ月ぶりの、フェラ。
和正さんは、ずっとそれを待っててくれた。
要求せずに、僕が自然にそれができるようになるまで、我慢しててくれたんだ。
(そして今、僕の口を清めてくれる)
自分の吐いた精を舐めとる、なんてことをやってのけた客は、一人もいなかった。
そう、和正さんは、お客様じゃない。
(僕の、愛しい人。恋人なんだ)
和正の腕枕でくつろぎながら、祐也はこの上ない安らぎを感じていた。
「和正さん、僕の誕生日を以前ききましたよね」
「ん? うん、そうだったね」
「僕、7月7日生まれです」
「ホントに、七夕様の日に生まれたんだね」
「え?」
「いや、星が好きな祐也は、7月7日が誕生日だったらぴったりだな、って思ってた」
「……ありがとう」
自分でも、そう思っていた。
だが、他人に言ってもらえたのは初めてだ。
また、和正のことが好きになった。
今まで以上に、大好きになっていた。
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