73 / 97

第九章・3

「悩んでいても、仕方ない。今夜はもう、寝るか」  先にシャワーを浴びて、ベッドに祐也が待っているはずだ。 「今夜は、どうしようかな。悩みを抱えてエッチすると、そのはけ口に祐也を使ってるみたいで、イヤだな」  そんなことを考えながら寝室へ入ると、すでに室内は真っ暗だ。  いつもなら、ダウンライトを点けていてくれるのに。  すると、突然部屋いっぱいに星空が現れた。 「え? あれっ!?」  プラネタリウムプロジェクターは、祐也の部屋に置いてあるはずなのに! 「皆様、『銀河』へようこそおいでくださいました。わたくし、今回の上映のナレーターを務めさせていただきます、清水 祐也です」  そしてそこへ、制服を着た祐也が浮かび上がってきた。  ベッドの上で、手招きしている。

ともだちにシェアしよう!