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第十章・7

「僕は男性が好きなんだ、って自覚して。苦しかった」  家に帰れば、父がいて母がいる。  異性同士のパートナーだ。  彼女はできないのか、と父にからかわれたこともある。  できたら紹介しなさいよ、と母に冗談を言われたこともある。 「でも僕は、言えませんでした。自分が、同性愛者だってこと」  高校の頃に、初めて同性の恋人ができた。  相手は天文部の先輩で、星を一緒に眺めては囁き合ったりキスをしたりした。 「そのうち彼、家に遊びに来るようになって。僕も油断してたんです。バレるはずがない、って」  ところが、ベッドで愛し合っているところを、母が盗み見てしまった。  母は、泣いた。  父は、罵った。  終いには、互いの育て方が悪かったのだと、罪のなすり合いを始めた。 「あんなに仲の良かった両親が、まるで人が変わったみたいに喧嘩して。あんなに僕を愛してくれてた両親が、手のひらを返したようによそよそしく冷たくなって」  ぽろぽろと、祐也は涙をこぼした。

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