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第十一章・4
マンションに戻り、祐也は和正と一緒に移動プラネタリウムについて話し合った。
「入院して、星が見られない。夜空の明るい街に育って、天の川を見たことがない。そんな人たちに、素敵なひとときを提供したいと思ってる」
「学校をまわって、子どもたちにも見せてあげたいですね。天体望遠鏡もセットにして、屋外での観測もやりたいな」
すっかり乗り気の祐也に、和正は嬉しくなった。
「で? 俺の脱サラに賛成してくれるのかな? まだ答えを聞いてなかったけど」
それには、口を少しとがらせる祐也だ。
「もう。聞かなくても解るでしょう? こんな素敵な提案を出しておいて」
大賛成です、と祐也は和正の胸に飛び込んだ。
「僕は、和正さんにどこまでもついていきます!」
「ありがとう、祐也」
二人、顔を見合わせて微笑んだ。
そして自然に、キスをしていた。
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