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 粘液の中にどしゃりと身体を落とすと、後ろ孔に入っていたそれらが再び動き出す。入り口を柔く揉みしだき、弛緩しきった身体は抵抗すらままならない。  甘い香りに頭が霞む。全てが膜を一枚挟んだように見えて、聞こえて、これは夢であると自分自身に言い聞かせた。  そうしないと、頭がおかしくなりそうで、狂ってしまいそうで怖かった。  王国騎士団の第二部隊(エリート)に所属している自分が、どうしてこんな目に合わなければいけないのか。  暴力的な快楽に、もう元には戻れないんじゃないかと恐怖する。 「い、やだ……ッ、やめろっ!」  手首を戒める触手にグッと身体を持ち上げられ、撒きついた触手が左右に足を開いていく。羞恥に顔を赤くするノエルの前に、それは姿を現した。  ぼこぼこと表面を波立たせ、いくつものこぶがある人の手首ほど太い触手は、その姿を見せびらかすようにノエルの目前まで近づいてくると、薄い肢体をなぞりながら下腹部へと降りていった。 「ッま、や、いやだッ!!」  酩酊した頭でもわかった。コイツらは、自分を犯そうとしているんだ。  ぐちゅぐちゅと淫猥な水音を立てながら孔をほぐしていた触手たちが、ずるりと抜けていく。質量を失った孔は、くぱくぱと開閉して、まるで誘っているようだった。  ゆっくりと、焦らすように孔に近づく触手の先が、ピト、とくっついた。 「ぁ、」  ゆっくり、ゆっくりと入ってくるそれに絶望が押し寄せる。男なのに、誇り高き騎士が、植物なんかに犯されてしまう! 涙が滲み、自然と息が乱れた。  呼吸が止まり、ナカが収縮した一瞬、ズチュンッと置くまで挿入をされてしまう。 「あっ♡」  ノエルのナカは、鍛えているだけあり締まりがよくとても気持ちが良かった。  興奮した、童貞の男のようにナカを擦り、激しく律動する触手は、柔らかな胎を堪能する。ぼこぼこと波打ったこぶがしこり――前立腺を押しつぶして、えらの張った傘の先っぽが入り口ぎりぎりまで引き抜かれて、最奥まで突き動かす。 「あっ、あぁ、んッ、おっ、おぅっ、ッ!!♡」  意識がトんでしまいそうだ。  こんなに気持ちが良いのは初めてだった。もはや理性なんて残っていない。ただ快楽を受け入れるだけの人形と化していた。  騎士団に入団したての頃、先輩たちに連れられて娼館へ行ったことはある。美しい女性に筆下ろしをしてもらったが、こんなに気持ちのよいものではなかった。  恋人はいたことはあるが、騎士団を優先するノエルに愛想を尽かして気がついたら連絡が取れなくなっていた。  瞳を蕩けさせ、快楽を受け入れるノエルに気を良くした触手は、いっそう激しく挿入を繰り返す。

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