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第4話

結局モヤモヤしながら帰宅して、モヤモヤしながら風呂に入ってモヤモヤしながらベッドに入る 「やめやめ!!考えるのやめよ!寝る!俺は寝る!」 そう思って目を閉じるとあのはにかみ笑顔が思い出されて… 「うそだろ…」 あんなに出してきたのにまた首を擡げる自身がいて驚く。 試しにあのおっさんの痴態を妄想してみる… 「マジかよ…」 全然萎えない…信じらんない…結局おっさん思い浮かべて達してしまいそのまま眠りに落ちた 翌朝… 「…気まずいなぁ…まぁ会うことはない可能性の方が高いけど」 俺は工場勤務をしてる。みんなには似合わないと言われるけれど割りと性に合ってたらしく楽しくやってる。 ちなみに俺の部署とあの人の部署はそもそも駐車場も玄関も離れてる。 玄関は事務所を挟んで右側の入り口が俺のとこ、あの人は左側の入り口。 工程によって作業場が違うんだけど俺のとことは一番離れた場所が彼の居場所なのだ 「会わないだろうしまぁ。大丈夫か…」 そう思ってシャワーを浴びて出勤の準備を整えた いつもの朝。何も変わらない そのうち鼻唄まで歌い出して会社に到着した。 「おはようございます」 そしていつもと変わらない挨拶をして向かった先も何の変わりもない俺の居場所 「弦野さんおはよう」 「おはようございます。加賀野さん。」 あ。名乗ってなかった…俺の名前は弦野 千雪(つるの ちゆき) 。あだ名は(げん)ちゃん。 名字から来てるのだ。 「弦ちゃんは今日も美しいわね」 「加賀野さんもいつもと変わらず美人さんですよぉ」 この部署で俺は古株ではあるが実は最年少である。ここはおじちゃんおばちゃんがとても多い場所だからみんな可愛がってくれる 「あらやだ!弦ちゃん!相変わらず上手ね。綺麗な子に言われるとお世辞でも嬉しいわ」 「お世辞じゃないですよぉ!」 みんなに似たような挨拶をしながら始業開始だ。 一旦仕事が始まるとみんな黙々と作業をする。 これも日常だ。 気付けばお昼休憩になって休憩に向かおうとしたときだった 「弦ちゃん!ごめん!」 「どうかしました?」 「これ、坂本さんとこ持ってってくれる?至急なんだ。俺が持っていこうと思ってたんだけど別で急ぎが入っちゃって!本当にごめん!!」 「わかりましたぁ」 「ごめんなぁ」 「いえいえ」 笑顔は引き攣ってなかったかな…坂本さんって…マジかよ…例の彼のところなのだ

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