「あれ？久しぶりだね。弦ちゃん。忙しかったの？」 「ん～…まぁ。そんなとこ？」 マスターの穂積さんはどっちも行ける人。まぁこっち寄りではあるけど。 「なぁに？溜まっちゃってんの？」 「たまにはいいかなぁって」 「弦ちゃんさぁ。何か心境の変化でもあったの？」 「んなななっ！！！」 「あたりー！！」 「ちがっ！ちがくて…」 「かっわいいーいつもの弦ちゃんもちろんイケメンだけど今の焦った姿もステキよ」 「いやだってさ！！これまで経験したことないことが…ほら…あのね、あの…小学生の時かなんか国語で習った“赤い実はじけた”ってやつ覚えてない？習ってない？」 「あぁ。女の子が実家の魚屋の手伝いしてる同級生の子みてなんやらかんやらってやつ」 「そう！それ。俺さ今の今までその意味が全くもってわかってなかったんだけどさそれがふと感じられたって言うやつ」 「へぇ。んじゃ弦ちゃんの初恋その人ってことじゃん？」 「いや！でもね！でも俺のタイプとは全く違うしさ！年上だしさ！職場の人よ。絶対ダメじゃん？」 「まぁ。何かあれば気まずかろうね。」 「でしょ？だから気のせいだと思うのよ」 「けどさ、それも経験じゃね？うまくいかない確率の方がそりゃ高かろう。漫画の世界ではないのだし。でもその思いってさ大切にしたが良いよぉ。後に役立つかもだし。認めてしまえ！」 「いやいやいや！！だめだ！だめだろ！！」 「良いんだって。それも人生よ」 「こんばんは。」 穂積さんと言い合ってたらとっても可愛い俺好みの子が声を掛けてきた 「楽しそうですね」 ふふふっと上品に笑う感じも好きな感じ 「僕。春海っていうんです。」 「春海ちゃん」 「はい。嬉しいな…弦ちゃんさんはいっつも人気者でずっとお話ししたかったのになかなかチャンスなかったから今日はラッキーでした」 「君みたいな可愛い子に覚えてもらってて嬉しいよ」 「弦ちゃん！いいの？」 「何が？お話しするの良いでしょ？春海ちゃんあっちのテーブル席にいかない？」 「えっ！いいんですか？うれしー！！はい！喜んで」 「ってことであっち行くねぇ」 「あ…おう…」 テーブル席は座る場所によっては穂積さんからも他のお客さんからも死角になる。そこで致すことはないけれどまぁ手を握ったりハグしたりキスしたりはできたりする。気に入った子がいればここの客は決まって移動するのが暗黙の了解になってる 席につくなり春海ちゃんは俺の手を取って自分の自分に俺の手を導いた 「少し…お話ししただけなのに…こんなになっちゃった…はしたなくてごめんなさい」 そんなの大歓迎だ。積極的でエッチな子は大好きだ 「くすっ。可愛いね」 そう言って春海ちゃんのを布越しに撫でてあげると小さく啼いた 「ん…」 「キスしよっか？」 「はぃ…ん…」 可愛い…この子。真っ赤になって強請ってる。今日はこの子にしよう そう思って移動してすぐに店を出た