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第9話

「少し考えるとかはだめ?」 「んー…じゃあ…この連休中僕とお試し交際してもらえませんか?貴方と一緒に恋人らしいこと…えと…デートとか…したいです…」 「…ん~…」 「だめ…ですか?」 上目使いでお願いされる。いや。可愛いけどね。 「…ん。わかった。んじゃ早速いちゃいちゃしよっか」 「はいっ!」 自分でも何言ってんだ?って思うのだけど多分穏便に済ませるためには言う通りにするのが一番良い気がした 朝から存分に楽しんで気付けばもうお昼も過ぎていた 「ごめんねぇ。盛りすぎて。体平気?」 「うん…大丈夫です…初めて出会ったときから…ずっと貴方とこうしたかった」 「初めて会ったときっていつ?」 疑問をぶつける。どうやって俺の子供の頃からこれまでの写真を入手したの? 「保育園の時ですね」 「保育園?そうなの?」 「はい。僕昔から何するのも遅くて…みんなにからかわれてたんです」 「そうなんだ」 「写真ありますよ」 「へぇ。見せてくれる?」 「はい。待ってて…ったい…」 「あぁ。ごめんね。言ってくれたら運ぶよ。どこにあるの?」 「あの…リビングなんですけど」 「おっけ」 春海ちゃんを横抱きにして部屋を出た。 「うわぁ…綺麗なリビングだね」 そこには広くて大きなリビングになってた。 「僕お料理沢山したくて…」 「へぇ。俺は料理全く出来ないからすごいねぇ」 「えへへっ。知ってます。昔から苦手ですよね」 「もしかして俺たち同級生なの?」 「いいえ。僕の方が1つ下ですね」 「地元は一緒なんだ?」 「はい。一緒なんです。ふふふ…」 くっそ可愛いなこの笑顔。こんだけかわいかったら覚えてそうなのに俺の記憶は全くないんだ 「ごめんねぇ…正直春海ちゃんのこと覚えていなくて…」 「あぁ。大丈夫です。当然だと思うので。僕ね、貴方が好きな小柄で華奢な人になれるよう頑張ったんです」 「そっかぁ」 「そこの棚です」 「一度下ろすよ?」 「はい」 春海ちゃんを下ろすと棚から分厚いアルバムが出てきた 「えっと…あ。これです」 そこには保育園の頃の親子遠足の時の写真が納められていた。 「うわぁ。懐かしい」 「これが弦ちゃんさん…ちーくんです」 「ちーくん…それ…」 その呼び方をされたのは保育園時代の一時のこと。しかも相手は一人しかいない 「…はーくん?」 「はい…」 「っ!!!!!!えっ!!!!えぇ!!!!」

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