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第10話
はーくんは幼少期、近所に住んでた男の子だった。けど俺が年長になる直前、少し離れた場所に引っ越して行ったのでその後はさっぱりだった。
まぁ…引っ越した理由も理由なので仕方ないのだけど。
簡単にいえば…うん…ストーカーである。
その当時うちに居候してた親戚のお兄ちゃんがいたんだけど彼はとってもイケメンだった。それに誰にでも優しくて頭も良くてスポーツも得意だった。
うちの地元はかなりの田舎だけど実はかなりの名門校があるのだ。お兄ちゃんはずーっと
ずーっと陸上をしていたのだけどかなりの実力の持ち主でスポーツ推薦でその学校に入学してた。
兄ちゃんをストーカーしてた相手が何を隠そう、はー君の年の離れた義理のお兄さんだったのだ。
はーくんのお兄さんはお父さんの連れ子でお兄ちゃんと同い年だった
彼がストーカーをしていることが判明したときはー君のご両親が非常に申し訳なさそうに頭を下げに来てそのまま引っ越していったのだ。
お兄ちゃんはそれを期に寮にはいった。寮の方がセキュリティがしっかりしていたからだ。じゃあ何で始めから寮にしなかったかって?
それは、兄ちゃんのご両親が心配性で毎日連絡がとれるところに住んでいて欲しかったから。
あの学校はとても厳しくて寮にはいれば月に一度しか敷地外へ出ることは叶わなくなるし、外部への連絡はほぼできなくなる。通信機器は寮内の金庫に保管されるのだ
兄ちゃんを溺愛してたご両親は毎日でも連絡を取りたがったため近くにあるうちに預けていたけどそのストーカー事件があって、その後色々調べていくうちにその彼以外にもストーカーが多数いたことが判明。身を案じたうちの両親が必死に説得してお兄ちゃんの両親は渋々寮にいれた。
まぁ…その選択も間違っちゃったんだけど…
先にもいったけどお兄ちゃんはイケメンだ。
誰にでも優しく、優しい故、頼まれたら断れない。悩んでる子がいたら放っておけない…
学校は男子校…
…察していただけたろうか?…
男子校だからと言うわけではないけど、血気盛んな集団…まぁ人間の摂理と言いますか…
色んな寮生と関係を持つに至り…
初めての相手は同室の人。遠距離恋愛してた彼女に振られ落ち込んだのを慰めていたら押し倒されて…その次は同じ部活の人。人から触られたら気持ちいいって聞くから試しに触ってみてくれないかと必死でお願いされ…
そんなこんなしてきたら…その後はうん。
元は生粋のノンケだったはずなのに卒業後はまぁ…ね?
そういうのが誰よりも詳しい体になってた…どっちもいける美少年…
すっかりその行為に填まった兄ちゃんは大学に進学してからも男女問わず来るものは拒まずやることやるようになってて…
大学出てからは自分でバーをし始めた
何を隠そう兄ちゃんはあの店のマスターである。穂積 樹優 さんだ…
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