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第19話
樹優side
その頃あいつらの両親は転職を余儀なくされ忙しくなってしまい家にもなかなか帰れなくなっていてあいつと春海だけで過ごすことが多くなって…だからなのか誰も監禁されたちーの存在に気付けなかったのだ。
知っていたのはあいつらだけ…春海はちーのことが好きだった。そのちーを独り占めできるあいつが羨ましかった。
ちーが見付かった切っ掛けは春海が保育士に話した言葉
「先生あのね、春ね、もう少し大きくなったらちー君とお兄ちゃんがしてるみたいにちー君とお相撲するの。今ね、ちー君ずーっと僕のお家にいるんだよ。お兄ちゃんの部屋にいるの。春のお誕生日からね。ちー君はずーっと裸ん坊なんだぁ。何でだろうね?お洋服忘れちゃったのかな?
ちーくんね、お兄ちゃんと裸で毎日ずーっとお相撲してるんだぁ。とっても楽しそうなの。春もね、ちー君と一緒にお兄ちゃんみたいに裸でお相撲したいな。僕もちー君とチューしてギュってして寝たいな」
その保育士はちーが行方不明になっていることをニュースで知ってた。まさかとは思ったが念のため警察へ連絡してくれてちーが見付かったのだ。そのときにあいつは再度逮捕されたのだ。
「樹優…愛してる。また迎えに来るね」
逮捕時、あいつはそう言い残したらしいけどその後まだ現れていない
俺の憶測でしかないが、あいつが逮捕された後、春海はあいつの持っていたちーの写真たちを自分の物にしてずっとずっと見つめ続け…その後もちーを追いかけて写真を撮り続けた…
そして、ちーを独り占めしていたあいつの姿にに近づこうと長い時をかけた。
その間もずーっとちーのことを見つめて来てわかったのはちーが選ぶのはいつも可愛らしい華奢な人だったってこと。だから自分の努力は無駄じゃなかったと信じた。春海は自分の容姿をよく理解してた。そのまま努力すればちーが自分の物になってくれると信じていただろう。
それは春海にとっては当然のことでまさかちー本人に否定されるなんて思わなかっただろう。
春海は幼かった頃少しポッチャリしてた。行動全てがゆっくりで周りの友達にいじめられていた。
それをいつも守ってくれたちーのことをずっとずっと思っててそれに拍車をかけたのはあいつとちーのことをみていたから…
春海の努力は認める。けど…もう…ちーを苦しめないで欲しい…
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