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第26話

朋悠side 運ばれてきた人を見て驚いた。よく知る人物だったからだ。 「弦ちゃん…」 「三宅。今の人知り合い?」 「はい。知り合いです」 「すっごく綺麗な人だね」 「えぇ。とてもいい人なんですよ。」 「彼女とかいるのかな?」 「いや。今はいないと思いますよ(てか彼女は無理だな)」 「じゃあ。私狙おうかな」 「出ましたね。女豹の小野滝」 「何その呼び名」 「覚えがあるでしょ?」 「まぁね。でもあんだけ綺麗な子は並ぶと落ち込みそうだな。私も三宅くらい可愛かったらなぁ。やっぱ観賞用だな、」 観賞用…その言葉を弦ちゃんはずーっと言われてきてるのを俺は知ってる。俺もつーくんにも覚えがあることだから でも弦ちゃんは別格。あれだけ綺麗な人は隣に置いておくとアクセサリー感覚になってしまうというのが周りの意見みたいだ。それだけ弦ちゃんは美人。そのためか弦ちゃんは本気で愛することを愛されることを諦めてしまっている…それは一緒にいてずっと感じてたことだった。 それは俺のパートナーであるつーくんも同じ意見でなんだかんだ自分達と弦ちゃんを重ねてしまい放って置けなくていつも一緒にいれるだけ一緒にいるようになった。 時折弦ちゃんの着ぐるみがそこにあるんじゃないかって思うことが何度もあって何だか心配で何度も体を重ねてきた。 そうすればちゃんと弦ちゃんは存在しててちゃんと温もりがあって人であることを感じられたから。 元々エッチが好きと言うのもあるけど弦ちゃんは俺たちにとっても特別なのだ 「弦ちゃん千雪ちゃんていうんだ…綺麗な名前…」 「三宅。私、弦野さん担当になったから。」 女豹の小野滝こと小野滝さんは俺の先輩。趣味は男漁り…けど仕事は完璧。弦ちゃんの担当はこの人がいい。他の人だときっと仕事になら無いだろうし 「お願いします」 「彼、異常はないみたいなんだけど二、三日入院だって。前にも倒れて運ばれたことがあったみたいでね。三宅が伝えてくる?任せるよ。心配でしょ?会っておいで」 「ありがとうございます」 小野滝さんに言われて病室に行くと付き添いの人が涙声で話してた。 弦ちゃん…いつも通りに見えるけど…あの感覚…中身はあるのかな?… 怖くなって声をかけるといつも通りの弦ちゃんがそこにいた。 ねぇ?弦ちゃん…何があったの? 少し話して病室を後にした。 まさかあの穂積さんと従兄弟なんて!でも良く見たらやっぱり顔似てた。 髪型も服装も違うからあのバーの照明じゃわかんなかったけど… 「もしもし。つーくん」 『あれ?朋?どうした?仕事中に電話とか珍しいね』 「…今ね、弦ちゃんがうちに運ばれてきたの」 『は?何で?』 「わかんない…けど…何かいつもと様子が違って…精神的な問題かな?わかんないけど…二三日入院みたいだから会いにきて」 『わかった。今日は早く上がれそうだし終わったら向かうよ。朋?大丈夫?』 「うん…ありがと」

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