「摂理！久しぶり。何でここに？」 「知り合い？」 それから俺と各務のことを色々話した。 そうして暫くすると 「前にも倒れただろ？」 「あぁ。そだったね。あのときもなんでもなかったよねぇ」 急に各務が深刻そうに言う。各務とは違いあっけらかんと笑いながら答える弦ちゃんの姿があまりにも不自然だ…中身が空っぽに見える…おそらく心配されたりするのを弦ちゃんは極端に嫌うのだ。そして心配されたくないからわざと明るく… やはり幼い頃の記憶がそうさせるのだろうか？ 「そうだった…ね…」 「各務何か知ってるの？」 「そのときは俺が病院に弦ちゃん送ったからねぇ」 各務の表情な曇った…けどここでこれ以上話を掘り下げてはいけない気がしてそっとメッセージを送る 『後で話がしたい』 『今日時間もらえるか？』 『わかった』 弦ちゃんに気付かれないよう送ったメッセージ。それを誤魔化すように話をすり替える 「もう付き合い長いんだ？」 「そうだね。長くなってきたよね？弦ちゃん」 「うん！大人になってからの友達で一番長くて深いよね？」 「あははっ！そうだな」 そのとき穂積も戻ってきた 「ちー…！！！あ！つーくん。お元気？」 「穂積さん。ご無沙汰してます」 「いつもちーと仲良くしてくれてありがとうね」 店と話し方が大きく違うので各務は驚いているようだ 「えと…穂積さん？」 「ああ。俺とちー…弦ちゃんは従兄弟だよ。みんなには秘密ね？」 つーくん…あぁ！朋ちゃんのパートナーって各務だったのか…通りで…女にモテたけど靡かなかったはずだ… 「はい。通りで似てると思ってたんですよ」 「来てくれてありがとう。ちーが仲良くできて信頼してる人は少ないから君と朋ちゃんの存在はとっても大きな支えになってるよね？ちー」 「うん！」 そこに俺は入れないだろうか？俺だって弦ちゃんのことは心配だし仲良くしたい。そんなこと子供っぽくて言えないけど… 「これからもよろしくね」 「はい」 「ねぇねぇ。ちー兄ちゃん！」 「ん？」 「二人が高校時代の同級生って知ってた？」 「知らなかった！！そうなんだ。どんな子だったの？高校時代のつーくん」 「各務はプリンスって言われてた。誰にでも分け隔てなく接するし全部完璧だったし。」 「っぽいね！！つーくんカッコいいし優しいし俺もだぁいすきだよ」 三人の面会者が集まり部屋はとても賑やかだ。 そこへ仕事を終えた朋ちゃんもやって来てさっきまで感じていた違和感もなくなり楽しそうに笑ってる 「あ。摂理。部屋のカメラどうなったの？」 「うん。それは全て回収した。弦ちゃん眠っている間に行ってきたよ」 「摂理さん。誰かに頼むんじゃなかったの？」 「うん。一緒にはずしてきた。だから安心してね。あとこれはごめんね。勝手だけど大家さんに話して鍵変えてもらったよ。だっておそらく相手は合鍵勝手に作ってるはずだから。はい、これ新しいやつね」 「何から何までありがとうね。費用は？」 「いいよ。いらない。その代わり今度ご飯付き合って」 「ありがと」 面会時間も終わりを迎え皆で病室を後にした