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第39話
各務side
「ねぇ。春海さん。良くお聞きなさい」
「なぁに前田さん」
「彼はあなたを求めてはいないですよ」
「彼?ちーくん?」
「えぇ。」
「ふふふ。変な前田さん。そんなことあるわけないじゃない」
「知ってますか?彼の好きな人」
「僕」
「違います。」
「違わないよ」
「違います」
「違わないよ。僕だよ」
「違います。彼ですよ」
そういうと前田さんは懐から写真を取り出す。そこに写ってたのはもさもさとしたおじさん?かな?
周りに写りこんでる人たちと比べても大柄で髪の毛で顔見えないけど…まぁ熊みたいな人?
「そんなはずないもん。ちーくんは僕が好きだもん」
「先日はっきり言われてたでしょ?あなたは気持ち悪いと」
「っ!!違うもん!!」
「違いません」
「違うもん!!違うもん!!」
「貴方はバカですね。あんな素敵な方が君たちみたいな醜い輩に気持ちを移すわけがないでしょ?」
前田さんは真顔ではーくんとやらを諭すように語り続ける。少し恐ろしい
「醜くないもん!」
「いいえ。くそですよ」
「前田さんに何がわかるの?」
「わかりますよ?貴方も凜冬もあの人の気持ちも考えずなんと醜いことか。あなたたちは自分達が選ばれて当然だと疑わない。それこそ醜い証拠ですね。」
「前田さん…ちょっと言い過ぎなんじゃ…」
「いいえ。真実を述べたまでです」
「前田さん。ひどい…ねぇ。酷いと思わない?つーくん」
「は?」
突如話を振られる。名乗ってないはずなのに呼ばれたから驚いた
「君にあだ名で呼ばれる筋合いはないけど?」
「もう!ひどいなぁ。ベッドを共した仲じゃない」
「…あなた趣味悪いんですね」
「なんのことだ?」
本当に記憶にない
「7年前の10月11日。君はあのバーにいたでしょ?その時僕を誘って朝まで一緒に熱ーい一夜を過ごしたじゃない」
「悪いが覚えていない」
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