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第41話
天理side
『もしもし。俺』
「何の用?」
『一緒に千雪くん探してくれ』
「は?病院じゃなかったの?」
『昨日連れ出されてる。おそらく…お前が調べてくれたあいつに』
「…わかった。だいたいどこか検討付いてんの?」
『あぁ。教えてもらったとこ虱潰しにあたってる』
「その場所教えて。すぐ行く」
電話を終え息をはく…
「千雪…もっと早く…」
何を言っても仕方がない。急いで支度をして家を出る。
本当は千雪のことは前から知ってた。千雪が幼い頃入院してたとき摂理が行けない日は俺が代わりに顔を出してたし遊んでいたから。
千雪といるととても癒されてた。摂理は俺の兄で何でも出来るすごい奴だった。摂理に両親や親戚は大きな期待をし、様々な教育をしてた。俺はそれを摂理から習ってきた。
摂理さえいればみんないいかのように俺は居ないものとして扱われてた。最低限の食事や服や部屋は与えてもらえるがあまり人と話すことはなかった。唯一の会話の相手が摂理だったのだ
お陰ですっかり摂理以外とはうまく話せない人見知りとなってしまった
摂理から沢山のことを教えてもらったので人とうまく話せない他は生活に困ったことはない。
早く…見つけてやらないと…
摂理に言われて一緒に調べた相手は急成長した会社の社長で、幼い千雪を監禁した張本人だ。
千雪の中にトラウマが植え付けられているなら千雪は相手の言うことには逆らえるわけがない。
摂理たちと合流して言われた場所を当たっていると
「いた!!あれだ!」
あいつらの行く手を阻むように車を停めて声をかける
「みつけた!!!」
「え?」
千雪が戸惑いの声をあげた。
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