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第43話

残された俺たちは大きな男が運転する車に乗って移動した 「えっと…俺…」 大きな男が運転して摂理さんの言われる通りにハンドルを操作する。 状況がさっぱり読めないけど取り敢えず謝らないと 「ごめんねぇ。へへっ。心配かけちゃった?」 「弦ちゃん!」 「朋ちゃん…そんな怖い顔しないでよ…」 「みんながどれだけ心配したって思ってるの?知らない人についてっちゃダメでしょ?」 「だってぇ…可愛かったもん」 「弦ちゃん」 「ん?」 「…まぁいいや。後でお説教するからね!」 「えぇ…」 「んもう!!」 そんなこんなでついたのは朋ちゃんの病院。そうだった…俺入院患者だった…病院側にも迷惑かけちゃったんだな…反省… 「ごめんなさい…」 病院について担当看護師さんとお医者さんに謝る 「無事で…よかった…念のため診察しますから皆様はお待ちください」 「あ…あの…」 「はい」 「えと…あの…この人…付き添ってもらっても良いですか?」 「この人?」 俺は大きい人の服の裾をつかんでお願いする 「この人と一緒なら…大丈夫な気がするから…」 「弦野さん…」 「お願いしますっ。坂本さん」 そう。さっき気付いた。この人は俺の会社の無愛想なあの人だって。なんでいたのかはわからないけど無意識にこの人を求めてしまった 「気付いていたんですか?」 「職場と全っ然違うからわかんなかったけど…なんとなくそうかなって…」 「天理。ついてってあげれば?」 「つーくん坂本さんとも知り合いなの?」 「彼も同じ高校だったからね」 「そっか…一緒にいちゃ…だめですか?」 「ご本人がいうなら…どうぞ」 医師に了承を得てついててもらうことになった。何故か彼といるととても安心するんだ… 「大きな傷などはなさそうですね」 「一緒にいただけだから」 「よかったです…では…弦野さん。退院で良いです」 「え?そうなの?」 「えぇ。きっと彼といたら原因不明な意識喪失も失くなると思うので」 「そんなにすごい人なの?坂本さん」 「え?…いや…さぁ?わからない…」 「そっか。じゃあさ今度からもっと話しかけて良いかな?」 「はい…構わないです」 「よかった」 退院できることを告げるとみんな喜んでくれて暫くするときー兄ちゃんが迎えに来てくれた

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