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第59話
摂理&天理side
俺達の間で幸せそうに眠る千雪ちゃんを二人で撫でる
「…天理」
「ん?」
「またこうやって千雪ちゃんと過ごしたいな」
「そうだね」
「でもさ二人は折角付き合うことになったんでしょ?俺邪魔じゃね?」
「何で?千雪は俺のことを好きって訳じゃない。千雪がしたいように俺はするよ。隣にいさせてもらえるだけでいいんだから」
「あれ?前田が千雪ちゃんの好きな人って写真持ってたの天理だって聞いてるよ?」
「は?」
「会社のどっかで隠し撮りしたお前の写真を持ってたらしい。各務がいってた」
「好きな人ねぇ。だったら嬉しいけど。でも高望みはしないよ?」
「二人で過ごしたいときは言ってね」
さっき沢山話していたとき千雪ちゃんはこの家で三人でいたいって話をしてた。しばらくは俺の提案に乗ってくれてここに住むことになったから。
天理と二人で過ごしたいかと思ってたんだけど千雪ちゃんの中で俺たちはセットみたい。
でもどう見ても千雪ちゃんは天理を思っているように見えたのだけれど…
「千雪ちゃんは好きがわかんないって言ってたね。けどお前のはにかむ姿をおかずにしたって…それってそういうことお前としたいからでしょ?」
「さぁ?わからない」
「まぁ。してくれて構わないんだけどね」
「っ!!」
「天理…真っ赤…」
「いや…だって…俺は…」
「怖いんでしょ?」
「いい思い出なんて一つもないからね」
「でも照れるってことは…千雪ちゃんならって思ってるからでしょ?」
「まぁ…千雪ならっては…けど…それも千雪の中に今はないんじゃないかな?各務くんと話したとき千雪は誰かとやってからでないとうまく眠れないってきいてたけど今日はこうして寝てくれてる。これっていい傾向でしょ?だからやんなくていい」
「まぁ。それも恋愛の形かもね。天理。これからはちゃんと前見て歩けるといいな」
「…変われるように頑張る…」
千雪…俺…お前の隣にいて恥ずかしくないように頑張る…まずは…挨拶からって…言ってたから…やってみる。
まだ顔出したりするのは恐いけど…いつか堂々と歩けるようになりたいな…お前みたいに…
「明日から千雪ちゃんは仕事復帰するって言ってたけど大丈夫かな?」
「明日は…千雪の部署から人を貸してもらうことになってる。千雪がいいって向こうに交渉してみる。そしたら側で見守れるでしょ?まぁ…千雪は仕事できる奴だからまわしてくれるかわかんないけどさ。」
「そろそろ眠い?天理」
そういって手を伸ばして俺の髪を撫でてくれた摂理に誘われてすっと意識を飛ばした。俺が酷い目に遭って眠れないときいつもしていてくれたからまだ体が覚えていたのだろう…
仲良く眠る二人を見つめる。
「ふふ…可愛いなぁ…懐かしい…おやすみ…千雪ちゃん…天理…」
俺もそっと目を閉じた
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