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第67話

午後も順調に仕事は終わり残業かと思われたけど定時で上がれた 二人で一緒に帰宅するのを溝口さんがニコニコ嬉しそうに眺めていたことは知らなかったけど 「千雪。一回お前の家行こうか。着替えとかないの困るだろ?」 「そだねぇ。お願いしていい?俺んちわかる?」 「あぁ。お前の家のカメラ外しに行ったからな」 「そうだったっけ?」 「摂理と一緒にはずしたよ」 「ありがと。じゃあお願いします」 そのまま乗り心地のいい車で帰宅。来客用の駐車場に停めて貰って一緒に降りた 「乗っててくれてよかったのに」 「ううん。一緒にいきたい」 「わかった」 そしてエントランスに入ると… 「ちーくん!!」 そこにははーくんがいた 「はーくん。どうしたの?」 天理くんはあからさまに嫌そうな顔をした 俺を背中に隠すとはーくんを睨み付ける 「そんなに怒んないでよ!もうちーくんのことは諦めるからさ。それだけ言いに来たの。これまでごめんなさい」 はー君は深々と頭を下げると手に持ってた大きな荷物を俺に渡してきた 「これ…勝手に持ってっちゃったやつとデータです。」 「返しに来てくれたの?」 「はい…本当にごめんなさい」 「わざわざありがとうね。はーくん。幸せになってね?」 「うん。ちーくんも。じゃあね」 はーくんは何か憑き物がとれたみたいに軽やかだった。何か心境に変化があったんだろう 「またカメラとか仕込まれてるかもしれないから…調べる」 「大丈夫だよぉ。でも天理くんが気がすむなら調べてくれていいよ」 「調べる…」 部屋に入って玄関で天理くんは調べ始めた。その間に俺は数日分の着替えをバッグに詰めていった 詰め終わって天理くんのとこに戻る 「何かあった?」 「なにもなかった。この手紙があった」 真っ白な封筒にちーくんへってだけ書いてある。 中身を見て笑う 「何だった?」 「志乃舞くんと生きることにしたみたいだよ」 「志乃舞?」 「うん。志乃舞 海星くん。だったかな?ずっとはーくんのこと好きだったみたいだよ。すごく爽やかな好青年だった」 二人で並ぶ想像をしながら微笑んだ。 「天理くん。いこ」 天理くんと手を繋いで部屋をあとにした

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