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第69話

「いらっしゃい」 朋ちゃんが嬉しそうに迎え入れているのがドア越しに微かに聞こえる。多分つーくんが来たのだろう。そう思って待ってたら 「どうしたの?千雪。」 「え?天理くん?何で?」 さっき帰ったはずの天理君がそこにはいた。俺の顔を見るなり心配そうな顔をして問いかける 「朋ちゃんが連絡くれた。泣いちゃったの?どうしたの?」 そういうと俺の元に来てギュっと抱き締めてくれた 「今日は連れて帰ってあげて。天ちゃんと離れるの寂しかったみたい。俺たちももう役目卒業かな?」 「いや。これからも仲良くして欲しい」 「ふふっ。わかった。さっきのことちゃんとしなよね?弦ちゃん」 「…でも…折角忙しい中時間とってくれたのに…」 「俺は平気だから。またいつでも会えるでしょ?ほら。いって」 「あ…うん。わかった。またね」 天理くんに手を引かれ部屋を後にした 朋悠side 「ふふっ。本当の弦ちゃん…やっと見つけた…」 お人形じゃない。そこにちゃんと存在してる弦ちゃん…本当に…良かった… 暫くしてつーくんがやってきた 「朋。弦ちゃんは?」 「あぁ。ごめんね?天ちゃんと離れて寂しそうだったから迎えに来てもらっちゃった。残念?」 「そりゃね。でも…朋が幸せそうな顔してるからいいや」 「へへっ。そんな顔してる?あのねあのね」 弦ちゃんのお話を沢山した。 「そっか。じゃあ今度はまたゆっくり天理も呼んでみんなでご飯食べよっ。」 「うん!弦ちゃん…幸せになりますように」 「お前もな。朋。あ。そうだ…明日が記念日だし…そのときにしようかなって思ってたけど…」 そうぶつぶつ呟くつー君を見つめているとごそごそとバッグの中の何かを探し始めた 「ねぇ。朋。お前はいつも誰かの幸せばかり願ってるよね。そういう朋の優しいところも俺は大好き。けどね、自分の幸せもそろそろ願ったらいいんじゃないかなって思うんだ…だからね…」 「つー…くん…」 「受け取ってくれない?」 そこにはキラキラ光るリングがあった 「俺と結婚して?」 「…っ!つー…くんっ!」 「俺じゃ…嫌?」 「嫌っ!じゃ…な…う…あ…うぅ…」 「俺と幸せになってくれない?」 嬉しすぎて涙が溢れて言葉がでなくてつーくんの胸に顔を埋めてコクコクと頷くしか出来なかった 「朋…愛してる」 そのあとは勿論幸せな気持ちで抱き合ったのだった

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