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第71話
「…それは…どうだろ?」
真摯な瞳で見詰めてくる天理君の表情にぱちんって音をたてた気がした。なんだかそれが恥ずかしくなってしまって可愛くないことを呟いてしまう
「こら。ここでそれ言う?」
「…だって…まだ…自信もって言えるほど強くないもん」
天理君の思いに俺はどれだけ近付けているのかな?やっぱり不安で迷う
「それでもいいよ。逃げ出したくなったら教えてね。まぁ…逃がす気はないけど…ね」
そういってニヤリと笑う天理くん。そんな顔初めて見たからなのかまたぱちんって音をたてた気がした
ねぇ。天理くん。これからも沢山迷ったり悩んだりすると思うんだ。けど…君となら…もしかして…
「千雪。愛してるよ」
今度は真剣な顔でいうからまたぱちんってなって…
きっとこれからも天理君は俺の胸をぱちんとさせるのかな?
そう思ってると何だか楽しくなってきて。あの小学生のときに習ったあのお話をふと思い出して…あの頃からうん十年たってやっと話の内容を少しだけ理解したような気がした
あかい実はじけた…
Fin.
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