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君を穢すのは僕だけ

 昔から変わらない、小さくツンとした鼻先が可愛い。  薄くて小ぶりな唇から、毒々しい暴言を吐くのも、全然いやじゃない。  目が大きいから眼力がすごくて、でも甘ったるくはない三白眼で。  うるうるした青白い白眼がキョロキョロと動く様子も、ずっと見ていたいくらい、かわいい。  その瞳で見つめられると、嬉しい反面、自分の汚れた内面まで見透かされてるみたいで、恐ろしい。  だけどそれ以上に、目が離せなくて、魅力的なんだ。  顔も、小柄な身体の中身も、全部かわいい。全部、すき。  彼のことでいつも頭がいっぱいで、そばにいるときはそれが溢れ出してしまいそうで、気が気じゃない。  からっとした鮮やかな笑顔がすきだ。  怒ったときも、何だかんだ毎回甘やかして許してくれる。  癖で拗ねたように尖らせる唇に噛みついて、しゃぶりつきたくて、ずっとずっと我慢してる。  嘘をつけない素直で残酷で優しいきみが、すき。  そんなみーちゃんの、快楽に溺れた顔が見てみたい。  どんなふうに反応するの。  性的に感じたら、どんなふうに顔を歪めるの。  どんな声で鳴いてくれるの。  一体どこが気持ちよくて、すきなところなの。  色んな場所を全身触って、じっくり追いつめて、いじくりまわして、舌でも手でも、感触を確かめたい。  みーちゃんの小さなお尻を丹念に慣らして、ぐっちょぐちょに解れたそこに俺のを突き挿れて、奥までガンガン腰を打ちつけたい。 『兼嗣……っ』って、切ない声で呼んで。  背中を抱きしめてほしい、爪を立てても、殴られてもいいから。  泣きながら喘いで、きゅんきゅん締めつけてくるぎゅうぎゅうの狭そうなナカに、思いきり吐精したい。 「──……っゔ、……は……ぁ、」  びくびくっ、と腰が跳ねる。  つめていた吐息を吐き出すと、荒い呼吸がふるりと震えた。  手のひらには欲望の残滓がべったりとついている。  彼のことを思ってひとりで慰めるのも、これでもう何度目か分からない。  みーちゃんに嫌われたくないのに、分かっているのに、やめられない。  枕に鼻先を埋める。  風呂あがりのせいで、そこはもう嗅ぎ慣れた自分の匂いしかしなくて、みーちゃんの香りは消えていた。 ……すきだよ、本当に。  どうか、お願い、俺から離れていかないで。  もうとっくに、限界なのかもしれない。 next.

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