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僕の君はすべて幻想

 そして距離をとるタイミングを完全に見失って、そのまま中学も高校も同じで。  とくに夢はなかったけど手に職はつけたいと思い、どうせなら、とみーちゃんと同じ工業系の専門学校にまで行ってしまって、今ではすっかり手遅れ。  みーちゃんへの恋心を自覚してから、破裂してバラバラになりそうな自分のバランスをとろうと趣味の空想に没頭した結果。  おかげさまで立派な凝り性の多趣味になり、同人誌にいたってはBLも何冊も持っているし、仲間の本を手伝ったり、売り子をするくらいにはどっぷり。  小麦肌ギャルも好きだけど、ヤンキー風の気の強そうな男が気持ちよさげにアンアン喘いでいるのも好きなんだ。  たぶんそこの性癖は完全にみーちゃんの影響なんだよね……。  みーちゃんに見つかったアレは夜寝る前に見てたらそのまま眠ってしまって、翌日の朝はみーちゃんに起こされたから、急いでシーツの下に突っ込んだ。   そしたら三日くらい忘れていたと思う。  でも、BL見られなくてよかった。  触手とか緊縛とかスカトロとか、そういう凌辱系じゃなくてよかった。  いや、よくない、か……。  みーちゃん、今はもう眠ってるのかな。  俺のこと、救えないくらい気持ち悪いやつだって思ったかな。 「……ん、」  ほとんど無意識に、みーちゃんの残り香を鼻先で探して、枕に顔を押しつける。  いつの間にか手はさわさわと自分の下半身を撫でていて、気付いたときには、そこは芯をもって熱くなっていた。 「っ、は……」  あぁ……。どす黒い後悔と、積もりつもった慕情を吐き出すように、熱いため息が漏れる。  次第にじんじんと疼いてきて、もう手は止められない。  そこを直に触って、怒張するそれをゆるゆると扱く。  みーちゃん、みーちゃん。  俺に組み敷かれたとき、どうしてあんなに怯えたような、俺から逃げたいみたいな、加虐心をくすぐる表情をしたの?  本当に、もしかして、俺のこと少しは意識した……?  そのときの彼を思い出すと、じわりと先端から先走りが溢れて、指を汚す。 「っ、ん……」  触れたいよ。いやらしい手つきで、身体中を撫でまわしたい。  Tシャツの裾から手を突っ込んで、すべすべのお腹を触って、小さくて初々しい色をした乳首を口に含んで、ツンと尖ったそこを舌で舐めて転がしたい。  呼吸が浅く、激しくなる。  自身はむくむくと大きく育って、硬く屹立した。  息を殺し、だけど手の動きは加速していって、のぼりつめていく。  ぐちぐちと下半身から粘着質な音がする。  みーちゃん、すきだ。すきだよ。  ずっと好きだった。今でもそうだ。

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