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愛がおもい

「ごめ、だって……みーちゃんの、こんな姿、見せられたら……っ、」 「……っ、お前……、死ね」  怒りさえ湧いた。  だが、腹から出したつもりの声は、動揺と疲労で掠れて、威力が半減する。  兼嗣は何をトチ狂ったか、そのまま俺の腰の下に枕を突っ込み、まだ感覚の戻っていない脚を、横向きのまま、ぐい、と持ちあげて肩に担ぐ。 「おい……っ、」  片脚を開かれ、濡れた下半身を顕にされる。  さすがに身体を起こそうと腕に力を入れるが、自分のものじゃないみたいにぷるぷる震えて、うまく起きられない。  こいつの枕は俺の頭の下にある。  じゃあそれ、今その腰に敷いたやつ、もしかして花岡のじゃねえか? ……ふっざけんなよマジで。 「……やめろ、殺すぞ……」  せめてもの抵抗で、腰の枕を引きずり出して、ベッド柵の向こう側に落とす。  兼嗣は気にせず抱えた俺の脚を食み、太ももの内側に点々と跡を残していた。  こんなときに限って脚の感覚は戻り、所有の証のような気味の悪い行為にハラワタが煮えくり返る。 「いいよ、殺してよ。みーちゃんにだったら、本望だよ。でも死ぬなら尚さら、止めらんない……」 「……っ、」  狂ってるとしか言いようがない。  目は口ほどにって、本当だ。  虚ろに据わった双眸が冗談には見えず、悪態もつけなかった。

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