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第6話
F寮を出て、学園に戻る道へ向かう。
「静は流星さんと会ってたの?」
「あ?あぁ、風紀の関係でな」
「あー、なるほどね。寮監会議とかもあるもんねぇ」
風紀も大変だね、と思いながら歩いていると
ガサッと裏の方から音がした。
「ん?何か音がした?」
ガサッガサッ
なんだ?と足を止めて音がする方を向く
ガサッ
大雅の目の前にキラキラ光る物が出てきた。
「うおっ。ビビったー!」
言葉を発したのは、サラリとしたシルバーの髪を片側だけ刈り上げ、グレーに近い色をした瞳を持った綺麗な顔をした男だった。
さほど驚く事もなかった大雅だがいきなり出てきた男を見つめる。
男はすぐに大雅の隣に居る静に目を向けると
「げ、フーキインチョーサマじゃんっ」
ヤベェと呟きながら頭に付いた葉を払った。
「……2ーFの天野 万里だな。今はホールで総会やってるはずだが?」
「あー、ちょっと寝坊してー」
アハハ…と笑いながら頭を掻いた。
「寝坊ね…」
と静は呟くと
「まぁ、今日はいいだろう。早くホール行けよ」と促した。
「へいへい」
腰から下げたウォレットチェーンをジャラッと鳴らしながら怠そうに髪をかき上げた。
ボタンを止めず大きく開けたシャツをパンツからだらしなく出していて、軽くまくった腕には時計と黒やシルバーのブレスレットが沢山付いている。
指にはごつめのシルバーリング。左耳にはピアスがズラリと並んでいる。
身長は大雅と同じくらいだが大雅より華奢に見える。だらしない格好なのにスタイルが良いせいかすごく様になっている。
「あれ、カイチョーサマもいんじゃん」
「ん?あぁ、僕はもう会長じゃないよ」
「ん??…??」
訳がわからないという顔をして
「ま、いっか。じゃ、行くんでー」
ニヘラと笑うと学園の方へ向かうと見せかけてダラダラ歩いてコンビニへ入って行った。
その後ろ姿をじっと見ていると
「大雅?」
「あぁ、キラキラしてキレイだなぁと思って…」
「あの色は地毛らしいからな。それ以外は違反だらけだ」
「フフッ。でも似合ってたね」
「まぁ、な。学校では大人しくしてるみたいだけどな。なかなか影響力のある男でもあるから…」
「ふふっ」
「大雅?」
「楽しくなりそうだよね」
「おい?」
「んじゃ、食堂行こっか」
「?」
F寮の横のコンビニに入って行く万里の背中を見送り、今度こそ学園へ向かって歩き出した。
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