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第23話

  万里の部屋の前で再度落ち合う。 昨日初めて会った時のように制服は着崩されていた。隣にはFクラスにいるタイプには見えない圭太も来ていた。 「お、来た来た」 万里が笑顔で手を振る。 「ゴメン待たせた?圭太君もおはよう」 「おはようございます。今朝はすみません。せっかく来てくれてたんだったら起こしてくれてもよかったのに」 圭太が申し訳なさそうに頭を下げた。 「お前なー、いつもだったらぜってー起こすなよって怒るくせに。なんだよその変わり身は」 「だって大雅君と朝ご飯なんて自慢じゃん」 「そーかもな。いーだろー?」 自分との食事が自慢なんてそんな事ありえないよと思ったが、相変わらず小気味よく会話が繰り広げられているので止める事はなく聞き流す。 「てか、朝からちゃんと行くの久しぶりダナー」 「あー、万里はそうだよね。どんなに遅くなってもメシ食う方が優先だもんな」 「メシ命!!ケータみたいにギリギリまで寝てメシ抜きで出るなんて考えただけでゾッとする」 エレベーターが来て3人で乗り込む。 「これからは大雅君が来てくれるから、万里の遅刻も無くなるな。良かった良かった。一安心だよ」 圭太は万里の肩をポンポン叩いて嬉しそうにそう言った。 「え?」と大雅が圭太に目を向ける。 「え?って。万里に聞いたけど、これからウチで食事する事になったんですよね?」 「え?」万里の方を見る。 「え?って。これからもメシ食いに来るんでしょ?」 万里が普通に言ってくる。 「え?毎日?」 「「うん毎日」」 ウンウンと2人が頷く。 「朝、晩?」 ウンウンと2人が頷く。 「いいの?」 「いいに決まってるっしょー。まぁ、ムリな日は言えヨー」 ガシッと万里の腕が首に周り、肩を組む形になって身体が密着した。 「っっ!」 体温が一気に上がった気がする。 顔も赤くなっていると思う。 「万里、だからお前は…。距離感大事だってば。人様に気軽に触らないの!嫌だと思う人もいるんだからな」 「えー。タイガ嫌がってないじゃん」 ねー?と顔を覗いてくる。 「アレ?イヤだった?」 固まってしまった大雅を見て、眉間にシワを寄せて少し悲しそうになる。 「あっ、大丈夫。うん。ちょっとビックリしただけ。お言葉に甘えてご飯も食べに行かせて貰うねっ」 ちょうどエレベーターが1階に到着し、身体が離れた。赤くなった顔はバレていないと思いたい。 「おー。んじゃ、メシできたらメールする感じでー。マジでムリな日は素直に言えよー」 万里のキレイな髪が朝の光を浴びてキラキラ光っている。万里の周りだけ輝いて見える。 笑顔が眩しい。 万里の後ろ姿を見ながらそんな風に思った。 他愛もない話をしながら学校へ向かっている途中で 「ばーんりっ!!」 昨日の子が後ろから追いかけてきて、万里の腕に絡み付いた。 「ウッゼー!!」 万里が腕を振り払う。 「万里がこんな時間から来るの、超めずらしくない??会えたの超うれしいんだけど!!」 万里しか見えてない、というように圭太や大雅を無視して話し続けている。 「ってか、オマエ、よく顔出せるな」 「えー?なんで?僕は万里の事がスキだから、見つけたら追いかけるでしょ?当たり前じゃない?」 「ウルセー。タイガ、ケータ行くぞ」 さっさと歩き始める万里の背中を 「待ってよ!」と小走りに追いかけている。 「えーと、朝からうるさくてすみません」 「あ、大丈夫。ちょっと驚いたけど」 すごい行動力だと思う。 自分があんな風に邪険にされたら、怖くてもう声なんてかけられないと思う。 それに、あんな風に自分の気持ちを伝えられるのもスゴイ勇気があると思う。 自分にはまだ… 勇気が無い

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