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第27話

   一瞬ザワッとしたかと思ったら 「大雅、ちょっと」 静が入り口の所で呼んでいた。 「あ、静どうしたの?」 「コレ」 チャラッと鍵を揺らしていた。 「あぁ、そうだった忘れてたよ」 「そんな事だとは思った。親衛隊にも招集かけといたから。時間は放課後って事で」 「サンキュ。助かる。あと、ちょっと見たい資料があるんだけど…」 「親衛隊との話が終わってからって事だな。風紀委員室でいいか?」 「うん。よろしく」 じゃ、と静が去って行く。 「…風紀委員長の事独り占めしてるくせにさ、万里にも手を出そうなんて、元会長もイイ性格してるよねっ」 「?…ミチ…君だっけ?」 「西峰 ミチ!万里の恋人候補!」 「ミチオー嘘つくなよ〜」 アハハーとギャラリーからヤジが飛ぶ。 「嘘じゃないし!ま、まあ名前は…ミチオだけど…」 「ミチオく「ミチ!」ん」 「ミチ君」 「ナニ?」 「そんなにプリプリ怒ってるより笑ってる方がいいよ」 「っっなっ!」 ミチが真っ赤になってプルプル震えている。 「それに、風紀委員長を独り占めしてるつもりはないんだけど、今までは生徒会の仕事絡みもあったしそう見えても仕方なかったかもね。幼馴染みだし気軽さは他の人よりあったかも」 「だから何!?」 フフッと笑って 「静はフリーだよ」 「っっ!!ボクは万里命だから!!風紀委員長関係ないしっ」 「そうなんだね。ボクも万里の事好きだから一緒だね」 ザワッと一層教室内が騒ついた。 「なっ!!なん!!」 「万里の事好き同士、仲良くしてね」 ニッコリ笑って握手を求める。 「っバカにしないでっっ!!」 フンッと鼻息を荒くして教室を出て行った。 「……?おかしな事言ったかな?」 「…大雅君、爆弾発言すぎる…」 圭太が驚いた顔で呟いた。 爆弾発言?と首を傾げる。 「ミチオの事諫める為に言った事かもしれないですけど、今の話、多分すぐに広報誌に載っちゃうと思います…」 「アハハ。いいんじゃない?」 「スゴイ騒ぎになりますよ?」 「会長辞めた事も昨日号外みたいなの出てたんだよね?」 「…出てましたけど…」 「でも結局は本当の所は書かれていない。ゴシップみたいな物でしょ?」 「確かに…」 「万里には迷惑な事に巻き込んじゃうけどね」 「ま、いんじゃね?」 万里が歩いてきて隣に立った。 それだけなのにドキドキする。 「騒ぎたいヤツは騒げばいいよ。いい隠れ蓑になるって事デショ?」 「ご名答。面白おかしく書いてくれればいいよ」 「それでいいならいいですけどね。 まぁ、大雅君をそういう意味で狙う奴等は腰が引けるかもしれない」 圭太が呆れた顔をして溜息をついた。 「いい牽制になる」 大雅は含みを持った顔でニヤリと笑った。

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