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第28話

 昼になり学食行ったり、教室で食べたり、外へ行ったりと皆各々に動き出した。 「タイガは昼はー?いつもはどうしてた?」 万里が声をかけてくれた。 「いつもはS寮戻って食べるか、生徒会室で弁当かコンビニってとこかな。万里達は?どうしてるの?」 「オレ等はガッコーで食う時は学食だなー」 「学食混んでない?」 「混んでっけど、Fクラに皆さん近寄りませーん。場所はーなんか空くんだよな、不思議と」 「怖い顔してるんじゃないの?」 「ハハッ。間違いナイ」 「万里の近くに座りたい奴等は多いんですよ。だけど、ミチオが言ってたみたいに不可侵条約なんです。ククッ。人に対して不可侵条約も何も…って感じなんですけどね。クククッ」 笑いが止まらない圭太が説明してくれた。 「ケータ。ウゼェぞ」 「万里の親衛隊って聞いた事ないけど…。そんな条約できるくらいだったら親衛隊あるんじゃないの?」 万里の親衛隊があったら、もっと早く見つけれたはずなのに。何故か聞いた事がないのが不思議に思った。 「あー、万里ですからね。一応親衛隊作るってなったんですけど、ほら一応生徒会に承認の書類みたいなの出して申請するでしょう?それに本人のサインがいるじゃないですか」 やっぱり作る所までは行ってたんだ。そりゃあそうだよね、と思って頷く。 「実は高校になってミチオが中心になって親衛隊作ってたんです。で、万里にサインしてもらいに行った時に申請書ビリッビリに破いて捨てたんです。バッカじゃねーのって」 「うわぁ。万里っぽい…」 「ですよね。でも一応親衛隊って隊員を庇護下に置くって意味もあるじゃないですか」 「うん、そうだよね。親衛隊はその人を支えるっていうのと、さっきの話じゃないけど弱い立場の人達は守ってもらう為に入るっていうのもあるもんね」 大雅の親衛隊員の中にもそういう子もかなり多い。何かあった時の為の保険みたいな物だ。 「万里は…自分にそういうのができても、本当に手の届く範囲内でしか助けてあげられないと思うのに、見えない所で何かあっても助けられない。 なら、初めから自分じゃない、名前だけでも影響力のある人に頼った方がいいって言って却下したんです」 「それでも作りたいって言いそうなのにね」 「そうなんですよね。まぁ、名前だけでも貸してあげれば?って言った事あるんですけど、何かあった時に何もできないって分かっててそんな事したくないって。マジメかっ!って感じなんですけど」 「自分の影響力をわかってない?」 「そうなんですよねぇ。自分が関わる所でキズ付く人を見たくないってのもあると思いますけど…」 「オマエ等いい加減にしとけよー!本人目の前にしてよく色々言えるよな」 万里が、片眉を上げて睨みを効かせてくる。 「ごめんごめん。フフッ。でも、万里の親衛隊があったらオレ入るけどな」  「バカにしやがって。タイガの親衛隊なんて最大派閥だったじゃねーか」 「まぁ、元だけどね」 「皆辞めずに続けるってもっぱらの噂ですけどね?」 「まーもうイイじゃん。時間無くなるし。んで?タイガ今日は昼どーすんの?」 「今日は、親衛隊絡みで色々動く予定だから、昼はパスかな?」 万里が驚いた顔で 「栄えあるFクラスの初日の日にメシパスだとー!!ダメだダメだ!!オレといるって事はメシは食わないと許さない!!」 「ちょっと元親衛隊長に話があるんだよ。どれくらい時間かかるかわからないし…」 「じゃあ、ソイツも誘って学食来いよ。場所取っといてやるからーメシは食え!!」 万里の勢いに押されて… 「はい…わかりました」 了承してしまった…。   実里先輩、すみません。 注目の的での食事になりそうです。

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