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第2話・淫らな夜の喘事。(前編)

 俺、矢中 拓磨(やなか たくま)は将来の夢もなりたい職業も、なあんにもない、25歳のこれといって趣味もないフリーターだ。  働くのが嫌で遊ぶために通った大学も終わり、親には呆れられて家を追い出された。  だから今は気ままな一人暮らしだ。  そんな俺だけど、ちょっと悩みがある。  それというのも、実は最近、誰かにつけられているような気がするんだ。  1週間前くらいからかな。  それは決まって居酒屋のバイトでの夜中帰りの道すがら。  そこはあまり灯りがなくて、狭い道路の一本道。  足音がして振り返ると気が立ち並んでいる以外何もない。  まあ、男相手に誰が何をするわけでもないから気にもしていなかったんだが、こう何日も続くと気味が悪い。  だけど親には今さらどうやって顔向けしていいのかわからないし、当然友達になんて相談できるわけもなく、俺は少し警戒しながら帰宅する。  できれば夜中のバイトなんてしたくない。でも日中はたくさん遊びたいし、そんなこんなでなかなか夜のバイトから抜け出せないわけで……。  あ~あ、楽しく稼げるバイトなんてあったら教えてほしいぜ。  それがどれくらい続いただろう、ある日。  ふたりの男が俺に話しかけてきたんだ。 「やあ、矢中くん」 「誰?」  声を掛けられて振り返ると、そこにはいかにもジムに通っていそう筋肉質の男の人が立っていた。  年齢はふたりとも30代後半くらいかな。背は俺よりも頭一つ分高いから、きっと190近いんじゃないかな。  薄暗いここからだとよくはわからないけど、彫りが深くてそこそこ男前だと思う。  親しみを込めて呼ばれたから誰かと思ったけど、当然、俺はこんな人たちは知らない。 「何? 俺に何か用ですか?」 「君、楽して稼げるアルバイトを探してるんだよね。ごめんね、居酒屋で盗み聴きしちゃって。君に折り入ってお願いしたいんだ。俺たちの身の周りの世話をしてもらえないかな」 「はあ?」  突然何を言い出すんだろう。  身の周りの世話?  俺は人様を世話できる器量なんてないぞ。  断ろうとしたら、 「世話っていってもどうってことないんだ。掃除や食事は俺たちがするし。君にしてほしいことは俺たちがいない日中の留守番なんだ。俺たちと一緒にルームシェアしてくれたら食費も何もかもタダで住まわせてあげるよ。留守番だけで1日2万円。どうかな?」  男はずいっと身を乗り出してそう答えた。  留主を守るだけで食費も全部タダ?  しかも1日2万もくれるの?  一ヶ月で60万円? マジ?  そんな美味い話があっていいわけがない。  だけど……俺、遊んで暮らしたい。  同居つっても俺は女じゃない。野郎相手に何もしてこないだろうし?  そういうことで、俺は早速次の日からふたりとルームシェアすることにしたんだ。  ――。  ――――。 「ちわ~、矢中 拓磨です」 「やあ、良く来たね。待っていたんだよ」  男はそう言うと、快く俺を迎え入れてくれた。  このふたりの家はものすごく広かった。  二階建ての一軒家でしかも庭とガレージもある。  そしてこの家に住んでいるふたりは俺が当初に思ったとおり、顔の彫りが深い。そこそこイケメンだ。  双子の兄弟らしく、一緒に暮らしているそうだ。  強面かとも思ったけど、目を細めて笑うと小皺が目尻に現れて、なかなか暖かみのある人柄だ。  何より黒髪は襟足よりも短くてスポーツやってますって感じ?  うん、なんとかやっていけそうな気がする。  筋肉質でちょっと暑苦しそうだけど、まあ、そこは別に気にすることでもないし。  というか、俺が細身すぎるから少しその筋肉を分けてほしいくらいだ。 「あの、それで俺は本当に留守番だけでいいんですか?」  とりあえず家を案内して貰った俺はあてがってくれた部屋に荷物を置いて、キッチンに集合した。  留守番だけで衣食住タダって凄くねぇ?  すっげぇラッキーだよな。  ウキウキ気分でいたら――。  だけどそれは俺が思っていたよりもずっとやばい仕事だったんだ。  俺の身体が突然拘束されたかと思ったら、フロアリングに押し倒された。 「それがね? おじさんたち、ちょっと気が変わっちゃって」  弟の方はそう言うと、にっこり笑った。  だけどこの笑い方は何だか怖い。しかも俺、フローリングに抑え付けられているからこの体勢もまた恐怖を煽ってくるわけで……。  ここから逃げ出そうにも、身体を固定されていて逃げ出せない。 「なにすっ!!」  どうにかして逃げないと。  俺はひたすら足掻いた。  だけどふたりは筋肉質なだけはある。俺を容易くねじ伏せるんだ。  そして、あろうことか兄貴の方がジーンズのジッパーを下ろすと肉棒を取り出した。  それは体格だけあって俺よりもずっと太い。しかも固くなっていて、赤黒いし血管も浮き立ってる。勃起状態だ。  これって、すっげぇマズいんじゃ。  そう思った時にはもう遅い。 「おじさんのこれを、君の尻孔で受け止めて欲しいんだ」  兄貴は言葉通り、俺が穿いていたデニムパンツを下着ごと脱がせて下半身を剥き出しにさせた。  そうかと思えば、両足を広げて、兄貴の肉棒を俺の尻孔に当てたんだ。  固くてずっと太い亀頭が尻孔に当たる。

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