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第3話・先生とぼくの秘密のじかん。(前編)

 ぼくは体育が大嫌いだ。  お外よりもお家の中が好き。  そんな根っからのインドア派なぼくは中学1年生の今になるまでスポーツがずっと苦手。  素早い動作もムリ。  ましてや器械体操なんて身体がガチガチで言うことをきいてくれないんだ。  それで今日、体育の時間で器械体操のテストがあったんだ。  種目はマット運動。  当然バック転どころか後転さえもできなくて、テストの結果はボロボロ。  そういうことでみんなが帰った放課後の今、ぼくは大きな体育館でひとり。  保健体育担当の保科(ほしな)先生に付きっきりの特別授業を受けてます。  この補講でどうにか今期の成績を5段階中の評価で1にならないようにしてくれるみたいでちょっぴり助かった。  だけどぼくの心臓はいつもよりドキドキしている。  それというのも実はぼく、入学当初から保科先生が好きなんだ。  がっしりした肩幅なのに無駄な筋肉がひとつもなくて、足が長くてスマートで凛々しくて、背も高い。  モデル並みに格好いい先生。  ぼくはそんな先生に一目惚れした。  実はぼくが通うこの学校は男子校で、そういうこともあってか同性同士の恋愛もごくごく当たり前。  だから当然、モデルみたいな格好いい保科先生は生徒みんなの憧れの的だ。  密かに恋心を抱いている先生とまさかふたりきりになれる時が来るとは思わなくて、しかも補講は器械体操。  ダメダメなぼくを教えるために先生と至近距離!  おかげで心臓はさっきからずっとバクバクいってる。  先生の息がほっぺたに当たって、すごくくすぐったい。  ううん。  それだけじゃない。  力強い腕がぼくの腰に腕が回ってる。  先生がぼくの身体に触れているんだ。  しかも今はぼくも先生も体操着一枚だ。先生の体温が伝わってくる……。  背後から抱きかかえられるような体勢でいるとおかしな気分になる。  どうしよう、みぞおちが熱くなってくる。  バックン、バックン。  身体から飛び出しちゃうんじゃないかっていうくらい心臓が跳ねている。  とにかく落ち着かなきゃ。  ドキドキしているのが先生にバレちゃう。  いくらこの学校では同性で恋愛してる人がいるっていっても、先生は社会人だし中学生のぼくなんかよりもずっとずっと大人で、格好いい。  ぼくが見ている世界よりも広い世界を知っている。  当然、同性での恋愛だって異常なものだ。  先生は格好いいから大人の女性にも人気があるだろうし。  ぼくは子供だし、同性だし。  恋愛対象として見られるわけがない。  先生には――。  好きな人には嫌われたくない。  男のぼくが先生を好きだってバレたら気持ち悪いって思われちゃう。  ぼくはギリギリと唇を噛みしめる。  だけどどうしよう。先生に触られるたび、ぼくの身体がビクンって跳ねちゃう。  ここはどうにかしなきゃ。  ぼくがそんな調子だから、当然いつもよりずっと身体はカチコチになるわけで……。 「芹沢(せりざわ)、身体に余分な力が入っている。力を抜いて。もっと足を広げなさい」 「っは、はい……」  先生に返事をした声が震えている。  おかしな奴だって思われちゃう!  もう、ほんと。  どうしたらいいんだろう。  あまりにも緊張しすぎて、なんだか目頭がじんわり熱くなってきた。  涙が出てきてしまう。  大好きな保科先生におかしな子って思われないようにしようとすればするほど、余計におかしな態度になっちゃう。  ここはなんとか乗り切らなきゃ。  溢れてくる涙をなんとか堪えて保科先生の言うとおり、目いっぱい足を開いた。  そうしたら……。  腰に回っていた片方の手。  先生の手が、太腿の間に入り込んだんだ。 「せんせ……?」  これ、なんだかおかしい。  こんな器械体操は、ない、よね? 「身体が硬い芹沢を柔らかくしてやってるんだ。ほら、ちゃんと開いて」  保科先生はそこまで言うと、ぼくのそこに触れてきたんだ。 「……っあ!」  これって、これって!!  半ばパニックになりかけている間にも、先生の手は止まらない。  ぼくのをぎゅむって掴んだかと思ったら、やわやわと扱いてきたんだ。  ううん、それだけじゃない。  もう片方の手が体操着の上からぼくの乳首を形取るようにしてクリクリ指でなぞる。 「あっ……せんせ……」  やだっ! ヘンな気分になっちゃうよっ!! 「やっぱりな、ここ、固くなってきてるじゃないか。それに芹沢の乳首がどんどん尖っていくし……?」 「っひ、んっ!」  耳元でぼそりとそう言う先生の吐息がぼくを刺激する。  ドックン、ドックン。  先生に聞こえちゃうんじゃないかなっていうくらい、鼓動する心臓はこれ以上ないくらい大きい音を立てている。  触られたぼく自身と乳首がジクジク疼く。 「やっ、なに? さわっちゃ!」  刺激されたらおしっこ漏れちゃう!  そう言おうとしたら、刺激されたぼくのそこからジョロジョロと漏らしてしまった。  おしっこが下着を通って半パンが円を描いて濡れていく……。 「……っつ!」  恥ずかしくて唇を噛みしめる。  だけど先生は解放してくれなかった。 「お漏らしして、いけない子だな。お仕置きが必要かな……」 「ひんっ!」  保科先生はぼくが着ている体操着を首から引っこ抜かせる。  それから漏らしたおしっこで濡れている下着ごと半パンをずらした。  あっという間に裸になった身体は夕方のひんやりした空気に包まれる。  先生に触られて悦ぶツンと尖った乳首も――。  おしっこで濡れてしまった反り上がったぼくのものも――。 「や、だ。どうして? こんな……これなに? やだ……」  恥ずかしい。  ぼくの、おしっこの時だってこんな大きくなったことなんてなかった。 「せんせ……」  すごく恥ずかしい。  だけど、好きな人に身体を見られて嬉しいっていうぼくもいる。  それから身体を見られてしまったことへの罪悪感と、大好きな先生に嫌われるんじゃないかっていう恐怖――。  全部がごちゃ混ぜになる。  身体を震わせていると、先生は乳首と大きく膨れているぼくのに触ってきた。

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