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第4話・provocative。(前編)

 深夜。誰もが寝静まった部屋で、俺はベッドの上で両足を広げる。  中途半端にはだけさせたパジャマは俺の素肌が見え隠れしている。  片方の手は、桜色の乳首を弄り――。  もう片方の手は何も履いていない下半身をずらして、尻孔が見えるように指を突っ込む。  桜色の乳首は弄りすぎてツンと尖り、胸の上で強調している。  きゅっと摘めば、全身に痺れをもたらして陰茎が勃ち上がる。  先端から雫を垂らしてくれるから、尻孔に突っ込んでいる指はスムーズに抜き挿しができる。  ヌチュ、ヌチュ。  指を動かすたびに漏れる水音。中を擦る肉音がたまらない。  ――キモチイイ。 「……あっ、はあ……」  最近のアソビはもっぱらこれだ。  だけどこのアソビはひとりでしてるんじゃない。  カーテンを開けて、窓は全開。  うっとりしながら、俺はほんの少し視線を上げる。  目の前のマンションから、俺のあられもない姿を見ている中年のおじさんがいるんだ。   おじさんは、でっぷりした腹を見せて、勃ち上がった陰茎をスラックスから取り出している。  俺の姿を食い入るように見ながら、俺をおかずにして扱いていた。  いつからだろう。  俺の部屋を窺うおじさんの気配がしたんだ。  きっと彼は俺が好きなんだと思う。  たしかにね、俺って大学でもよく同性に告られてるし。  スカウトもされたことだってある。  長い睫毛に濡れたような黒髪と白い肌。  綺麗だと自分でも思う。けっして自惚れじゃない自信だってある。  ……はじめは、さ。あの視線が気持ち悪かった。  相手は中年だし、同性だし、しかも短足で体型はお世辞にも格好いいとは言えないメタボ。  ぽってりした唇も気持ち悪いし、鼻の穴も大きいし。息も臭そう。  はっきり言って俺の趣味じゃない。  そんなおじさんに見つめられても嬉しくない。  何をするにしてもジッと見られてて、どうも落ち着かない。  だけど何をされるでもなく、ただ視線を浴びているだけだから警察にも届けようになくって――。  かといって両親には無理言って一人暮らしをさせてもらってるから心配させたくない。  そんなある日、俺はイラついて、あまりのストレスで部屋の窓を全開にしたまま自慰をしたんだ。  案の定、その姿をおじさんに見られてしまった。  本来なら気持ち悪いって思うのに、さ。  あまりにも見られ続けていたから、俺の頭のネジが抜け落ちたのかもしれない。  自慰する俺を食い入るように見つめてきたあの視線がカイカンに思えたんだ。  それから始まったこのアソビ。  ずっとエスカレートしている。  初めは陰茎を触るだけだった行為が尻孔を弄るようになって――それがすごく気持悦くて、気が付いたらおじさんの勃起する姿で興奮している俺がいる。  ああ、だけど。  あのおじさんのもので貫かれたらどんなに気持が悦いだろう。  おじさんの陰茎は俺よりもずっと大きい。15センチはあるんじゃないかな。すごく長い。赤黒くて太いあれに、尻孔を掘られたら……。  ああどうしよう。ものすごく欲しくなってくる。  俺は耐えられなくなって、ベランダに出た。  おじさん、見て。  俺の尻孔。  指が三本も挿入(はい)るようになったんだ。  開脚して尻孔に指を三本、一気に挿し込んだ。  見て、おじさんのと同じくらいの太さだよ?  おじさんにしっかり中が見えるように、バラバラに中を動かす。 「ん、はあ……ああっ!」  身体が、熱い。  ベランダに出たおかげでヒンヤリする夜気が火照った身体を包み込んでくれる。  それでも俺の身体は焼けるんじゃないかっていうくらい熱を持っている。 「おじ、さん……欲しい」  欲しい。 「欲しいよ……」  口を動かしてそう告げれば――。  いつの間にかおじさんの姿が見えなくなっていた。 「ああ、俺」  どうしたらいいんだろう。  動かし続ける指は止まらない。  もっと奥へ進もうとするのに俺の指じゃ届かない。 「っひ、うう……」  イきたい……。  前からはポタポタ蜜が溢れている。  上の口と下の口から涎が溢れて止まらない。 「ひうう……」  しばらく喘いでいると――。  ふいに俺の身体が浮いたんだ。  同時に腰が持ち上がる。 「っひ!」  何事かと思って振り向けば、  そこには脂汗をじっとり掻いているおじさんがいた。  そういえば玄関のドア、開けっ放しだった。 「おじ、さ……」  視線を下に向ければ、血管を浮かべて赤黒く勃起したおじさんの陰茎が見える。  ポタポタと雫を垂らしている。  ああ、やっぱり近くで見るとおじさんのはかなり太くて大きい。  あまりのたくましさにうっとりと見つめてしまう。  口からため息がこぼれた。  どうやらおじさんは限界のようだ。唸り声を上げながら俺の尻孔に楔を穿つ。 「っぐ、ああああんっ!」  突然の深い抽挿に、俺の目の奥で閃光が走る。 「太い、太いっ! あああっ!!」  思ったとおり、結腸まで届きそうだ。  ジュブ、ジュブ。  肉壁を擦られて感じてしまう。

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