14 / 40
ゴミ、重ねて見る過去と今。
熱い口付けが脳みそを馬鹿にする。
ルークの舌を受け入れながら、春太は疑問を抱いた。
「っん……な、んで、キス、するんだよ」
吐息と混ざりながら、疑問を口にする。
ルークは僅かに口を閉ざした。
「……口付けると匂いが強くなる。お前は、舌を絡め合うのが好きだろ?」
「〜っ」
オブラートに包むというものを、この男は知らないのだろうか?
いや、知らないのだろう。甘い羞恥とは違う、明確な羞恥心に、春太は震えて口を覆った。
「好きじゃ、ない。……だから、もう、キスしない」
ぷいっと顔をそらすと、ルークが不満そうに眉をしかめる。ふと、虎牙の台詞が脳裏に蘇った。
確かに、よく見れば感情表現をしている。ほんのわずかな違いではあるけれど。
「私たち吸血鬼は、血だけでなく、人間の体液であれば力になる。……まあ、血が一番うまいがな」
「え、そうなの?」
春太が新しい情報に目を輝かせると、その隙に両手を捕らわれて、唇を塞がれた。
その日の血の提供は、普段よりもずっと甘くて、困惑した。
ともだちにシェアしよう!