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ゴミ、衝突する。
自分はこのままでいいのだろうか。
変わりたいと思うくせに何もしないまま。自分と同じような生活をしている仲間を見つけて安堵する日々。
──大丈夫。俺だけじゃない。大丈夫。
そんな慰めばかりでは、変わることなどできない。
「……うっ、熱でた」
無い頭で色々と考えたせいか、久しぶりに熱がでた。
酷い悪寒がする。一度拗らせるとたいがい酷いことになるのは、これまでの経験上分かっていた。春太は病院に行こうとして天井を仰ぐ。
携帯も財布も賢吾の家に置いたままだ。当然保険証も。
渋々ながら賢吾のスマホに電話をかける。何ヶ月も経っているのに、番号を覚えている自分の記憶力が憎い。
数回コール音がすると低い声が鼓膜を揺らした。
「……あの、俺だけど」
「春か?」
「うん。えっとさ、急にごめんな。俺の荷物まだあるなら取りに行きたくて」
もしかしたら捨てられているかもしれない。春太が諦念を抱いたとき、打ち消すように賢吾が笑った。
「春は帰ってくるって思ってたから置いてある。今日、取りに来るだろ?」
「あっ、うん」
電話越しに賢吾が破顔した。
そういえば機嫌がいいときは優しかったな、と記憶に触れる。気まぐれな優しさを、本当の賢吾の姿なのだと自分に言い聞かせて、与えられるものに縋った。
賢吾は大手企業の営業に務めており成績は常にトップ。おまけに顔もよくて給料もいいため春太のような相手は多かった。
少なくとも同居しているのだと思っていた春太を、ただの穴と呼ぶくらいには。
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