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〔六〕自分だけの特別な相手以外を気にかける意味などない

天井の一角から雨のように落ちてくるお湯と、シャワーヘッドから強めに出しているお湯で浴室内の湯気がすごいことになった。 ゼリーから出てきたフルーツのように、半透明な物質を体にくっつけている間抜けさがある。口にするべき言葉が奪われた。 ミルカの薄皮のように張り付いた白い肌着を引きちぎるように脱がせる。ぶちぶちと音を鳴るたびに「あ、あっ」と声が出ている。 肌着がなくなると生きていけなくなる顔をするのはどうしてだろう。 素肌にシャワーのお湯を当てると目を固く閉じる。 体中が敏感になっているらしい。 お湯の温度を冷たくしたり、温かくしながら体を洗ってやっていると「ちく、び……ばっかり、あてられると、その」と視線が下に向く。 乳首ではなく下半身を刺激して欲しいということだろう。 シャワーを性器の先端に当て続けると「んん、んぅ」と口元に手をやって、耐えだした。 気持ちがいいのか、気持ちが悪いのか分からない。 逃げようとする体を後ろから抱えるようにして、よりシャワーとの距離を近くした。お湯の勢いを上げると首を横に振られる。 「ひっ、いたっ、いたぃ……もげちゃうっ」 勃起していた性器が縮こまる。庇うように内股になりだした。 小さくなってかわいらしいと思われたいのだろうか。 これがあざというやつなのかと思いながら、シャワーをとめて、後ろの穴をいじる。 入浴後はやわらかくほぐれていることが多いが、今日は固く閉じている。仕方がないので、湯船の中から形がそのままの果物をいくつか拾い上げる。支えていないとフラフラしている。一人ではまともに立っていられないらしい。 「ちょうど、表面がトゲトゲした細長いものと表面がゴツゴツとした球体とがある。……どちらがいい?」 質問の意味が分からないのか、黙り込んで何も言わない。 時折、生娘もかくやという無知さを見せつけてくる。 「黙っているということは、両方か。随分と欲張りだな」 そんなつもりはないと言いたそうにしているが、実際は言わないのだから、両方で間違いない。正面から抱き合い、もたれかからせて、足を開かせる。 細長いトゲトゲとしたキュルーリで閉じられた秘所をつつく。 意外とすんなりと入ったが、球体のラチリンは飲み込まない。 根気よく押していると二つとも何とか入っていく。 トゲトゲとゴツゴツは病みつきになる女性も多いらしいが、男性でも問題なく魅了するようだ。 縮こまっていた性器が質量を増している。 キュルーリとラチリンは気持ちがいいらしい。 「子供がいても分からないが、異物が入ると分かるな」 不自然に盛り上がっているような腹を撫でると球体の果物が外に出ようとする。腹部に力を入れると潰してしまうと思っているのかもしれない。 尻肉を平手で打つと球体を飲み込み、背中に力が入る。 「落とすなら、落ちてこないように私のモノで無理やり押し入れる」 「……ど、どうして、でしょう?」 「私が入れたものを、なぜ落とす?」 嫌ならば嫌だと言えばいいが、どれだけ追い詰めたところで、説明を求めるだけで、嫌だと言わない。 理不尽を強いることもあるが、拒絶せずに受け入れている。 その在り方は、どこまでも狂っているが、本人は正しいことをしている気でいる。どうしようもない愚か者だ。 シャワーを頭から浴びせていると言葉を探し出せたのか「洗っていいですか」と私の下半身に手を伸ばしてくる。 今まで、自主的に私のモノに触ろうとはしなかった。 同じモノをぶら下げているくせになぜか怖がっていた。 ローションのぬるぬるに手を滑らせていると思ったらコツを掴んだのか両手を使い始めた。 風呂場に椅子を置く習慣はなかったが、彼が座って体を洗いたいというので、腐らない木で椅子を作らせた。 一つしかないことを不満そうにしていたが、洗われる側だけしか椅子に座らないのだから、一つで十分だ。 椅子の前でうずくまる形で両手を上下に動かしながら、何を思ったのか人の性器を口に入れた。 こわごわと、舌を動かす。 湯船の中に入った果物を口にできない人間がよく性器を口に入れられたものだ。 「……おい、しい、だと?」 衝撃を受けている愚か者の顔面にシャワーヘッドをむける。 ふぶぅと面白い声を出してブサイクな顔をした。 じゅるるの実でローションを作る際、二人以上の肌に触れると面白いことが起こる。 相手の体液や匂いに対して好意的になるのだ。 彼の場合は美味しいと感じるらしいが、私はどうだろうか。

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