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【3a】変態
血管が浮き出てビクビクと痙攣するようなアリリオさまのちんこ。その匂いを嗅ぐだけで落ち着く異常者、それが俺である。
せめてアリリオさまも同じ状態なら良かったが「アリリオさまは俺の匂いや味にメロメロ! それを使って主導権を握ってやるのだ」計画は始まる前に終わった。
エビータの本を読み漁って、男を篭絡するために必要なことを学ばなければいけない。そのためにも一度、アリリオさまには吐精してもらって、仕事に戻ってもらいたい。
朝食が遅かったとはいえ、そろそろ昼食の用意がされているはずだ。浴室から出るべきだが、アリリオさまの股間はバッキバキ。
これを外で控えているだろう、リーとライに見せるのはよろしくない。
ふにゃちん野郎の汚名は返上できるが、露出趣味の遅漏野郎と呼ばれてしまう。間違っていない気がしてしまうが、露出趣味というより、気にしないだけだ。
勃起ちんこを他人に見られても恥ずかしいという感覚がない。
使用人なら、なおさらだ。
主人の身体的な特徴を噂するなんて、以ての外だと考えていそう。
「どうしたら射精しますか?」
「させたいのか?」
「アリリオさまの精液が飲みたいです。どんな味に変わっているのか興味があります」
あくまでも味覚の変化がどの程度のものであるのか、気になっているという姿勢を崩さない。
精液が飲みたくて喉が鳴りそうとか、そういった変態ではない。
俺はいたって普通の人間で、男の精液は妊娠の道具だとしか思っていない。
「仕方がない、こぼすなよ」
どういうことか尋ねる前にそれは来た。
小説においてどぴゅどぴゅと表現される射精、アリリオさまはそんなレベルではない。ドバドバのじゅるるのバッシャーだった。
果物の皮を剥こうとしたら意外と熟していて、手や顔面をベタベタで汚してくる。そんな感覚を精液で味わうとは思わなかった。
俺の顔面を汚し、とっさに受け止めるような形をした手の中にたっぷりと吐き出されている精液。
今の状態ではなければ、吐き気がしたかもしれない。
量の多さに我慢のしすぎを感じる。
出したいときに出せるという新たなアリリオさまの生態を知ったので、今度からは秒速で出してもらおう。あごも穴も疲れずに済む。
早漏野郎と使用人たちに思われないよう、気を遣うことぐらい俺だってする。
主導権を握るということは、アリリオさまのプライドをへし折ることではない。相手も自分もいい気持ちになるのが、理想のセックスだ。
子作りではなく目指すのは、肉体的な気持ちよさを高めること。
俺に対して、抱き心地のいい手放せない体だと思ってくれたら、最低限のラインはクリアできている。
ちんこが俺の体を求めているというほどの相性の良さを演出する。
好感度はポイント制だと姉が言っていた。
すぐに他人から好かれようと思うのは傲慢で、努力が足りない。
人に好かれることを期待するのではなく、自分を好きになるしかないように思い込ませる。
そういった努力を忘れたからこそ、俺は一人で死ぬのだ。
その場、その場の痛みを恐れて、逃げた先には何もない。
今後のためだと口の中の精液を飲み込む。
冬の祭りのときに食べた口の中ですぐに消えてしまう砂糖細工の味がする。見た目がかわいくて、妹に買ったが、俺自身も食べたくて仕方がなくなっていた。
五つ入りだったので、一つくれないかと思っていたら「にいさんは他人に期待しすぎ。わたし、そんな良い子じゃないんだから」となぜか怒られつつ貰えた。妹であるリーティは良い子だ。
手のひらを舐めるという不作法にも気づかず、俺は精液を舐め続けた。砂糖細工だけでなく、完熟フルーツの極上のゼリーの味やミルクを濃く煮出して作ったチャイの味がする。
もっと味わいたくなって、残っていないのか、アリリオさまのちんこに吸いつく俺を動かしているのは、食欲なのか、性欲なのか。
「旦那様」
控えめなノックの音と控えめなリーの声。
緊急の要件なのは間違いない。
アリリオさまのちんこを手放すべきだが、頭を撫でられてしまったので、動けなくなった。
見上げるとちんこを硬くしているとは思えない、平常時の顔。
いつもの冷たさが抑えられて、優しさすら感じる。
慈愛のこもった瞳だと思うのは俺の勘違いじゃない。
ちんこを気持ち良くする人間を嫌う人間はいない。
男はみんな単純だ。
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五つ入りをひとつ自分用にして、四つを妹にあげるということを主人公は思いつかない。
(これ、ニュアンスが伝わりにくい部分ですが、ばら売りの場合はひとつ自分のものにして、四つを妹に渡すことはします。いや、ばら売りなら、ひとつを自分、ひとつを妹、残りを両親とかですね)
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