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【5a】死の原因
ちんこが美味しいのは先っぽから汁が滲むからだが、匂いも好きだ。以前なら、絶対にNOと言い切っただろうが、今は一切の抵抗がない。
美味しいものは美味しいと認めてしまえば心は晴れやかになる。
口の中も意外と性感帯なのだと思って、ちんこにキスをしていたら、ドゴっと鈍い音がした。何か大きなものを落とした音だ。
アリリオさまが呆れたように「頭に怪我をしているというのに」と言い出した。
「アリリオさまの補佐がビジョーア嬢と繋がりがあったのですか?」
「私にあの女を勧めたのはピネラの弟だ。金の工面さえできればいいので、側室にするなら、手軽だとな」
贅沢品好きなところを直させるのではなく、そこを満たせばいいなんて、うなるほどお金がある公爵家ならではの解決法。
「彼女はお金だけに興味があるようには見えませんでしたが」
口からアリリオさまのちんこを放しても、それはクールタイムではない。先端を優しくなでなでし続ける。あれほど大量に精液を出したのにしなびれることなく、立派に存在を主張している。
ふにゃちん要素が少しもない。
以前なら、うんざりした復活の速さが今では頼もしい。
俺をイジメる穴破壊棒ではなく、美味しい液体を出すいい匂いがする棒だと思うと愛おしさから頬ずりしてしまう。
「自分は公爵夫人に、自分の子供がいずれは王に、彼女はそう思っているのでは? 今の段階では違っているかもしれませんが」
「狙いは国の内部崩壊か」
国王陛下の子供たちは三人。
三人とも異能が強いが健康的ではない。
今の段階でも民衆の英雄であるアリリオさまを王太子にと、望む声がある。
そこで障害になってくるのが、アリリオさまの異能が発現していないこと。これは逆に幸運だ。
異能があるとなれば、文句なしで王太子ということになりかねない。最終決定権が陛下にあったとしても、家臣の圧にいつまで耐えられるのか。
考えていて思ったが、あの陛下なら誰が何を言ったところで自分の決定は変えないだろう。
そして、エビータである俺がアリリオさまに嫁いだことで、アリリオさまを王太子にというよりも、俺が産む、アリリオさまの子に期待をかけられている。
王子たちがもう少し働いてくれればいいが、基本的に伏せている。
働きが見えてこないと支持はしにくい。
アリリオさまの子供という点では、ベラドンナの子も托卵だとバレていないなら、候補に挙がる可能性がある。
派閥争いが幕を開けて、国は荒れる。
荒れるだけの体力もないかもしれない。
悪だくみはお金がかかる。
「王家に隠れて儲かってるところが怪しいですね。直接の反乱因子ではなくとも、今後、資金源になるのかもしれない」
どこでも裏金工作をやっていると偉そうな貴族が言っていた。
アリリオさまが不正を暴いて、徴収していた。
民に戻すと混乱や争いを産むので、孤児院の運営資金にしていいと俺が一部を預かっていたりする。
お金を貯めこんでいるのは、俺かもしれない。
「なんで、あいつは……弟は、公爵家を、あー様を裏切るようなことを。俺たちは、公爵家のために生まれて――」
悲痛な執事の言葉に今度は「私の人望のなさだろう」と答えた。
俺も薄々、アリリオさまにこき使われて限界だったんだろうと思った。
彼自身が、ベラドンナを操ったとは思わないが、今回の計画に携わる人間と接触を持った可能性が高い。
執事の発言からすると、居なくなっているらしいので、自分の関与を疑われたら逃げられないと考えたようだ。
「アレは元々、弟のものだった。ピネラ、貴様が兄のものであったようにな。私に仕えるよりは、亡き弟の無念を晴らしたかったのだろう。それは、責められまい」
自分の今の仕事をまっとうしないのなら、責めていい気がするけれど、アリリオさまは気にしていないと言う。
執事が何やら反論しているが聞こえない。
フォローの言葉は大きくしろと言いたいが、アリリオさまのことだから、聞きはしないのかもしれない。
重苦しい話に俺が参加できるわけもないので、大人しくちんこをしゃぶることにする。気持ちよかったら、アリリオさまも、ストレスが吹き飛ぶ気がする。
乳母から二人の子供が生まれ、アリリオさまの兄と弟の補佐として彼らが亡くなるまで仕えていた。
年齢的な話なのか、兄に仕えていた執事はアリリオさまとの距離が近くて、乳兄弟の気安さだと思っていた。
けれども、違っていたのかもしれない。
執事の弟がアリリオさまと距離がありすぎるので、兄のほうが、調整をした。
今は執事をしているが、以前はアリリオさまの補佐だったと二人の会話から知った気がする。
つまり、自分のポジションを弟に譲って、執事はアリリオさまと弟に距離を縮めて欲しかったのだ。
「裏切るかは半々だったのかもしれない。第二王子が――」
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