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第13話
「ん……」
場所を寝室へと移し、2人は何度もキスを交わしていた。ただ触れるだけのキスなのに、その熱がじんわりと全身に回って気持ちいい。ユティスの双眸は熱に浮かされたものへと変わる。
ベッドに横たえられると、少年は無邪気な笑顔を浮かべた。
「へへっ」
「何だよ……」
「レオンが『好き』って言ってくれたの初めてだから。嬉しい」
「は? 1回ぐらいはあんだろ」
「え? ないと思う」
「……なかったか?」
レオンハルトは気まずそうに目線を逸らす。
ユティスは憂いを帯びた表情で、
「俺には何度も『好き』って言わせてたのにね。主に、最中に」
「う……」
「ああ、『レオンのチンコが大好きです』とか言わされたこともあったっけ……」
「……お前、いじめるとかわいいから、つい……」
遠い目をしてみせる少年を前に、レオンハルトは項垂れてしまう。
ユティスは頬に手を添えて、正面からその瞳を覗きこんだ。
「ねえ、レオン。俺のこと好き?」
「それは……」
「ちゃんと俺の目を見て、言ってよ。でないと今日はさせてあげない」
小首を傾げて、少年はかわいらしく告げる。するとレオンハルトは息を呑んで、その顔を見つめた。
数秒、少年の表情に見惚れてしまってから、騎士は口を開く。
「ユティ。お前が好きだ……愛している」
「――嬉しい」
ユティスはそう言って、ほほ笑んだ。
その大きな瞳が濡れたように潤んでいる。光を映して、宝石のようにキラキラと輝く碧眼。それに魅せられたようにレオンハルトは硬直し、慌てて目を逸らした。
「それ……わざとやってないか?」
「え?」
「その目だよ」
「ああ、これね。俺、気付いちゃったんだ」
うるうるとした目を少年は切なげに細める。そして、ささやいた。
「どうもこれ、特技みたい」
「やっぱりわざとか!? くそが……! かわいいんだよっ!」
レオンハルトは混乱しているのか、毒づきながらも褒めるという謎の言動をする。
それから少年を睨みつけた。
「俺以外の前では絶対にやるなよ。やったら、殺す」
「は……ハイ」
気迫に負けて、ユティスはこくこくと頷く。
少年の頬に手を添え、レオンハルトは顔を寄せた。唇が重なる。
「ん、ぅ……っ」
割り入って来た舌を迎える。
いつもよりは優しく、ゆっくりと口内をなぞる舌。しかし、的確に弱いところを刺激してくるので、少年はすぐに力が入らなくなってしまう。唇を解放される頃には、息が荒くなっている。無防備な四肢がシーツの上に投げ出される。好きに食べてくださいとばかりの体勢だ。
目が合うと、レオンハルトが焦る。
「くそっ……またその目かよ……!」
「こ、これはわざとじゃないよ……」
弱々しい声で、甘えるようにユティスは言った。
「だって、レオンのキスがうまいから……力、入らなくなっちゃう……」
ぐっ、と何かを耐えるように奥歯を噛みしめる騎士。それから乱暴に少年の服へと手をかけた。
荒々しくボタンを外していきながら、唸るように言う。
「お前……才能がある」
「え……?」
「俺を煽る才能だよ」
「ええ……?」
ユティスは慌てて服をたぐり寄せようとするが、もう遅かった。
勢いよくまくられ、少年の白すぎる肌がさらされる。しみ1つなく、生娘のようにきめ細かな肌。膨らみこそないものの、それだけに綺麗な色をした乳首が目立っていて艶めかしい。
胸の先端部を指でつねられて、少年の腰が跳ねる。
「やっ……あ」
電流が走ったように快感がめぐる。
指で転がすようにじっくりといじられて、ユティスは足をすり合わせた。
「ん……はぁ……んっ」
声を抑えようとしても抑えきれない。突起を押しつぶされて、体が震えた。
すると、レオンハルトが身をかがめて、もう片方の先端を口で含んでしまった。
強く吸われ、腰に電流が走る。舌でねぶるように舐めあげられれば、もうたまらない。
「待って……それ、だめ……っ」
その間ももう片方は指でいじりたおされる。
びりびりとした快感が全身を貫く。
「やぁ……んっ……あ……ああっ……」
一際大きな波が襲って来て、ユティスはびくんと体を震わせた。そのままぐったりと倒れこんだ。レオンハルトがズボンへと手をかける。そして、一気に下着ごと脱がされた。見えなくても下半身がぐっしょりと濡れていることがわかる。
「んなあどけない顔しといて、胸だけでイけちゃうんだもんな……」
「だ、誰のせいだと思ってるの!?」
ユティスは真っ赤になって抗議する。
「最近はレオンが、尿道までかく……んむっ」
「その目で、エロいことを言うのは禁止だ」
「いつもは俺にえっちなことばっかり言わせたがるくせに……」
不満たらたらでユティスは唇を尖らせた。お返しとばかりにその手を噛む。すると、押しつけるように指を口の中に入れられた。
「舐めろ」
「……そこは命令するんだ」
むすっとしながらも、ユティスはそれに従ってしまう。騎士の指をくわえこむ。肌が厚くなって、荒れている。剣士の手だ。指の腹に唾液を絡めた。
このまま主導権をとられては悔しいので、少しからかってやろうと思う。
わざと音を立てながら、指をしゃぶる。赤い舌を見せながら根元から舐め上げた。もちろんうるうるの瞳でレオンハルトを見上げることも忘れない。
口淫を思わせるような仕草で、指をくわえていれば。
「くそっ……」
案の定、煽られてしまった騎士は、乱暴に指を引き抜いた。
性急な動作で少年の蕾に手を添える。そして、中へと侵入を果たした。内側をさぐられて、ユティスは息を呑む。体の奥がぞくぞくとする。それでもそれまでの経験からなるべく力を抜いていた方が楽だと、深く呼吸をした。
「あっ……」
指がある一点をかすめる。合わせて、体が跳ねた。
「あ……ぁんっ」
「相変わらず、中の感度も抜群だな。お前は」
「だって、いろいろ挿れられたもんねえ……あ……っ、ちょ、だめぇ……っ」
苦言を呈そうとしたのに、黙れとばかりにつつかれる。ぐりぐりと押されれば、たまらずに体をよじらせる。
あっという間に追いつめられて2度目の射精も間近となるが、伸びてきた手が陰茎の根元をつかむ。イきたいのにイけずに、ユティスは腰をくねらせた。
「やっ……それ、離してっ……」
「少し我慢しろ」
「うう……」
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