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難題2
朝の食堂は閑散としていた。食欲よりも睡眠欲を優先する学生は多いのだろう。僕は朝ごはんを食べないと目が覚めないタイプだし、朝からしっかり食べられる体質だ。まぁ、お腹がすいて目が覚めるんだけど。
パンの香ばしい匂いとかつお出汁の匂いが漂っていて、食欲を誘う。朝食はデュッフェ形式で好きな物を好きなだけ食べられるシステムになっていた。
朝食から帰ると部屋のソファーには桃香先輩と相良先輩、春が座っていて、相良先輩の横にもう一人眼鏡の生徒が座っていた。
この眼鏡の人が『管理』ということか。
4人は書類を見ながらなにやら話し込んでいたので、「ただいま」と声だけ掛けて制服に着替えに自室に向かった。
白いワイシャツの上に校章のエンブレムの入った濃紺のブレザー。首には学年ごとに色分けされたネクタイを結ぶ。
これまでの学校でもブレザーだった。だけど……だけど……ネクタイは無かった。
こんなことなら親父に教えてもらっていればよかった。
項垂れても後の祭りだ。
俺は不器用なのだ。
靴紐もまっすぐに結べないほど……そんな俺がネクタイなど結べるはずも無く、何度も試行錯誤した結果、首からさげたまま部屋を出た。
春に教えてもらおう。
リビングでは話が終わったのか4人が立ち上がってカバンを手に持っていた。
「職員室まで一緒に行って教室に案内するよ」
春に言われて「ありがとう。よろしく」と返した。
「毎朝ここにみんな集まるから、響君は僕と一緒に行こうよ。どうせクラスも一緒だし」
「ありがとう」
「末永君も一緒に」
スエナガ君? 首を傾げると、「管理の末長学(ガク)です」と眼鏡の生徒が自己紹介をした。
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