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裏切られ続ける想い

シャワーの音が木霊する中で俺は徐々に身体に熱を感じていた。 さっきまで震えるほど冷えていた身体はシャワーで温められるのとは違う熱を持って色づきはじめる。 「……ん……」 擦っていたタオルを床に落とす音が聞こえたけど、その手は止まらずに俺の身体を撫でた。 液体はすっかり流されたはずなのにその手は止まらない。 俺は濡れている桃香先輩のシャツの背中を握り締めた。 さっきの奴らに脱がされた時とは違う、恐怖は無くてもがいて求めるようにシャツを握る手に力が入る。 「はぁ……ぁ……」 裸の肌を撫でられて、ぞくぞくと甘い痺れが身体を駆け上がる。荒い息が木霊する。 「んっあっ」 「比嘉」  掠れた声が名前を呼ぶ。  ああ、俺、この声だけじゃなくて……。  呼ばれる声に安堵と共に愛しさが募って、名前を呼び返そうと唇が震えるが、耳を噛まれてビクッと身体が震えた。 背中を撫でていた手が支えるようにして回された。そして、反対の空いている手が尻を撫でた。 そこから太ももまでを撫でられるたびに息は上がってそのシャツを握る手に力がこもる。 俺は同性愛に抵抗なんてないけど、自分に向けられなければいいなんて思ってたけど、今なら、この人になら向けられたい。 欲望を向けられたい。  『頂いちゃおう』なんて言われて、恐怖を感じて抵抗したけど、桃香先輩にはそれを感じない。  もっと、触られたいと望んでしまいたいほどに甘い感情が溢れてくる。

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